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世界唯一の輝きを放つ箔フローリングが叶えるラグジュアリー空間

2018.12.04 | INTERVIEW

日本のフローリング業界をけん引するメーカー、イクタ。伝統と革新をコンセプトに新たなイノベーションを生み出す製品は、空間づくりに携わるプロフェッショナルの自在な表現を後押しする。同社が提案する箔フローリング「匠ジャパン」が、世界で初めて導入された「セント レジス ホテル 大阪」内の鉄板焼レストラン「和城-WAJO-」においても、上質な空間を足元から支えている。

物件名/「和城-WAJO-」@セント レジス ホテル 大阪
設計/デザインスタジオ・スピン 撮影/ナカサ&パートナーズ

2020年に創業150周年を迎えるイクタが近年、新たに取り組んでいるコレクション「匠ジャパン」は、金箔を木目に合わせて箔押しした、繊細かつ独特な存在感を持ったフローリング。ハイエンドな商業空間、住空間のデザインを花開かせてくれる可能性と共に、箔の文化が廃れかけている現在、その文化と職人技を継承するという目的を持つ製品だ。江戸時代から石川・金沢の代表的な産業として受け継がれてきた「縁付金箔」と、高度かつ繊細な織りの技術で美しいアイテムを生み出す西陣織の職人技「金銀箔」、そこにイクタのフローリングが融合して実現したもの。


実際に匠ジャパンのフローリングを商業空間に採用した事例が、大阪にあるラグジュアリーホテル「セント レジス ホテル 大阪」で、2018年11月にオープンした鉄板焼レストラン「和城-WAJO-」だ。設計を手掛けたデザインスタジオ・スピンの小市泰弘氏は、同製品を採用した経緯を次のように話す。



「ホテル全体を通しての『センス オブ プレイス』をコンセプトに、日本や大阪、そして安土桃山時代の文化を取り入れたデザインやアートが展開されています。今回レストランをデザインするに当たり、同じく安土桃山文化を背景に、『待庵』『草庵』という二つのプライベートルームの空間づくりに取り組みました。安土桃山文化の特徴は、豪華絢爛な装飾がある一方、簡素で静かに茶の湯を楽しむ“侘茶”の精神も持ち合わせている点です。そこで、待庵は“侘茶”、草庵は“黄金の茶室”をテーマにしました。きらびやかな茶室空間を模索する中で、金沢の金箔産業に出合い、その魅力を落とし込んだ『匠ジャパン』のフローリングを知って、ぜひ使いたいと考えました」



“侘茶”をイメージしたダイニングスペース「待庵」では、銀のマテリアルが散りばめられた
“侘茶”をイメージしたダイニングスペース「待庵」では、銀のマテリアルが散りばめられた


待庵は言わずと知れた国宝で日本最古の茶室。草庵は千利休が完成させた茶室の形式だ。豊臣秀吉が利休につくらせた黄金の茶室に、草庵の侘び寂びの精神が取り入れられていたという逸話に着想を得て、「匠ジャパン」が取り込まれている。小市氏が選定したのは、上品に輝く「沈金ゴールド」のカラーとダークウオールナットのフローリング。重厚感のあるウォールナットの色合いとストライプ状に組み合わせることで、金箔の質感を引き立てている。



「匠ジャパン 沈金ゴールド」はライティングによって輝きを増す
「匠ジャパン 沈金ゴールド」はライティングによって輝きを増す


「ただ金色にするだけであれば塗装や他の素材でも可能ですが、ここでは本物の素材が持つ質感にこだわりたかった。箔フローリングは飲食空間だけでなく、ホテルのスイートルームなど、特別な場所でより魅力を発揮する製品だと思います」


「匠ジャパン」は現在、「金箔」や高度な製造技術を要する「プラチナ箔」、落ち着いた風合いが特徴の「沈金ゴールド」と「沈金プラチナ」、重厚感のある「銀切廻し」の5種類が展開し、多様な空間やシーンに合わせて取り込むことが可能だ。伝統文化から継承される匠の技術、それらを現代的な視点で形にしたフローリング「匠ジャパン」が、日本の新たなラグジュアリー空間を生み出していくことに期待したい。



世界で初めて、匠ジャパンの金箔フローリングが導入された鉄板焼レストラン「和城-WAJO-」のプライベートルーム「草案」。店内のインテリアには、金箔を軸とした世界初の技術やマテリアルが各所に採用されている
世界で初めて、匠ジャパンの金箔フローリングが導入された鉄板焼レストラン「和城-WAJO-」のプライベートルーム「草案」。店内のインテリアには、金箔を軸とした世界初の技術やマテリアルが各所に採用されている

匠の熟練技から生まれる輝き

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上品な素材感を持つ金箔は、金沢における産業の長い歴史の中で培われた技術によって生まれる。その金箔の厚さは0.0001㎜。木目を目立たせた浮づくりのタモ材に、凹凸を生かすように箔を貼っていく工程は、西陣織の高度な箔押しの技術があってこそ可能となる。更に、イクタの持つフローリングのコーティング技術により、美しさや質感を保ったまま、機能性・耐久性のある製品へと昇華する様は、まさに伝統と革新を体現している。

2018年11月フランスで開催される「ジャパンパビリオン」で金の茶室として出展し、世界にその魅力を発信している。

Yasuhiro Koichi
アクスにて空間プロデューサー松井雅美氏に師事後、スーパーポテトを経て、1999年デザインスタジオ・スピン設立。「フォーシーズンズホテル香港 Caprice Bar」「ザ・リッツ・カールトン京都」内のレストランなど、外資系ホテルなどのインテリアデザインを手掛ける。

株式会社イクタ 

  • 青山ショールーム 東京都港区南青山3-5-1 O&K南青山401 
  • 営業時間 10:00~17:00(予約制)
  • 定休日 水曜日・日曜日・祝日 
  • TEL. 0120-85-2461
  • URL. http://ikuta.co.jp

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