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バイオエタノール暖炉「エコスマートファイヤー」と “豊かな居場所”のデザイン戦略

2020.12.07 | INTERVIEW

2020年10月、メルクマール社は、東京・南青山の「EcoSmart Fire(エコスマートファイヤー)」コントラクトショールームで、新製品の発表会を開催し、その中で、「五つ星ホテルへの導入が進むバイオエタノール暖炉「エコスマートファイヤー」と “豊かな居場所”のデザイン戦略。」と題したトークセミナーを行った。

インテリアデザインの自由度を
確保する、煙突不要の暖炉

トークのテーマは、「五つ星ホテルへの導入が進むバイオエタノール暖炉『エコスマートファイヤー』と“豊かな居場所”のデザイン戦略」。登壇したのは、インテリアデザイナーの戸井賢一郎氏(日建スペースデザイン)と、メルクマール代表取締役・志賀洋公氏だ。


メルクマール社のコントラクトショールーム(東京・南青山)で開催されたトークセミナー。新製品の暖炉を囲んでの和やかなセミナーとなった
メルクマール社のコントラクトショールーム(東京・南青山)で開催されたトークセミナー。新製品の暖炉を囲んでの和やかなセミナーとなった


「月刊 商店建築」編集長の塩田健一が聞き手となり、「インターコンチネンタルホテル」「星のや」など、エコスマートファイヤーの導入背景から設計・施工、実際の工期や運用方法に至るまで、これまで語られなかった秘話と今後の可能性に迫った。


エコスマートファイヤーは、バイオエタノールを燃料とすることで、煙突不要で設置できる暖炉だ。基本的な構造は、バーナーと呼ばれるステンレス製器材に燃料を入れて火を着けるというシンプルなもの。


省スペースでデザイン性に優れており、メンテナンス性や多様な場所に設置しやすい安全性から、多くのラグジュアリーホテルで導入されてきた。「ガスや薪の暖炉に比べて、施工や設置が圧倒的に容易なことが特徴です。特に、薪と異なり、灰や煤を出さないため、暖炉まわりのインテリアデザインの自由度が格段に向上します。


また、排気ダクトが不要でこの製品単体が収まるスペースがあれば設置できるため、これまで暖炉を取り込むことができなかった場所に、“火”のあるシーンをつくることができます」(志賀氏)

自然のデザインモチーフとして、
火を採り入れる

バイオエタノールは水分を含んだ燃料で、多少の雨でも火が消えることがない。風にも強く、屋外でも使いやすい。納入事例の一つであるグランピングリゾート「星のや富士」では、客室のテラスに設置し、ガラスパーティションを設けずに火をインテリアの一部として楽しむ演出がなされている。


富士山や河口湖に近い丘陵に立つグランピングリゾート「星のや富士」。客室のテラスにエコスマートファイヤーが設置され、宿泊客が自ら火の付け消しを行うオペレーションが実施されている
富士山や河口湖に近い丘陵に立つグランピングリゾート「星のや富士」。客室のテラスにエコスマートファイヤーが設置され、宿泊客が自ら火の付け消しを行うオペレーションが実施されている


「客室に設置した場合、誰が着火するかという問題があるのですが、星のや富士では、宿泊者が自ら着火する方法を採っており、それをグランピング体験の一つとして利用している、興味深い導入事例です」(志賀氏)


エコスマートファイヤーの導入例である「アマン東京」(東京・大手町)
エコスマートファイヤーの導入例である「アマン東京」(東京・大手町)


戸井氏がインテリアデザインを手掛けたホテル「インターコンチネンタル横浜Pier8」にも、同製品が導入された。「このホテルは横浜の港に船のように突き出した複合施設の上階に位置しています。空間デザインは海や風、自然の揺らぎをテーマとし、暖炉の火もその要素の一つとして採り入れました。


エコスマートファイヤーは、エントランスホールとスイートルームに設置しました。どちらも、空間に入ってすぐ視線が行く先にアイキャッチとして設置しています。火は、空間全体を柔らかく上質な雰囲気にしてくれます。設置の手間が少なく、着火や消火の方法、メンテナンスが簡単なことも施主に導入のプレゼンをしやすいポイントでした」(戸井氏)

安全性、メンテナンス性、
豊富なラインナップ

エコスマートファイヤーは、住宅や別荘での利用も想定しているため、安全で簡単に操作できる仕組みが特徴だ。着火は、燃料の入ったバーナー部にあるフタを開け、専用のライティングロッドで種火を近づけるだけ。消火もそのフタを閉めるだけだ。商業空間での管理も容易だろう。


「バイオエタノールの燃料コストは、おおむね1時間あたり100~200円程度。ガスに比べると若干割高かもしれませんが、設置工事がほぼ不要であることや管理のしやすさを評価され、設計者や施主に採用してもらうことが多いです」(志賀氏)


ホテル「パークハイアットニセコ」に納入された事例
ホテル「パークハイアットニセコ」に納入された事例


製品の形状は、コンパクトなスクエアタイプからオーソドックスな暖炉タイプ、重厚感のある台座と一体になったもの、火を横に連続させられるビルトインタイプなど、さまざまな空間演出に応じて多彩なラインナップがそろう。


単なる暖房機能としての暖炉を超え、火を空間のマテリアルとして取り込むバイオエタノール暖炉「エコスマートファイヤー」は、施主、設計者、サプライヤーが協力し合うことで、豊かな居場所づくりに大いに貢献してくれそうだ。

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志賀洋公氏
エコスマートファイヤー日本法人
(株)メルクマール 代表取締役

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戸井賢一郎氏
日建スペースデザイン
チーフディレクター

New Products

KANシリーズ


家具型暖炉で唯一XLバーナーが内蔵された「KANシリーズ」が、2020年10月より販売開始された。移動が簡易にでき、屋内はもちろん、屋外での使用も可能で、アウトドアリビングの空間演出としても使える。製品の内側にブラックカラーを採用したことでオレンジの炎がより美しく際立つ。


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GIN90シリーズ


エコスマートファイヤー「Gin90シリーズ」は2020年リリースの製品。W2272 ×D1098で展開し、日本のリビングシーンやテラスだけでなく、レストランやバー等に多く適用できるサイズとなっている。チークやコンクリートで出来ている本体部分とステンレス製バーナーの組み合わせにより、横長の綺麗な火を演出するのが特徴だ。ホテルなどのテラスに複数使って、幅広い設置も可能だ。


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2019年10月に開業したホテル「インターコンチネンタル横浜Pier8」。インテリアデザインを、日建スペースデザインの戸井賢一郎氏が手掛けた。一部の客室にエコスマートファイヤーが導入されている
2019年10月に開業したホテル「インターコンチネンタル横浜Pier8」。インテリアデザインを、日建スペースデザインの戸井賢一郎氏が手掛けた。一部の客室にエコスマートファイヤーが導入されている


メルクマール

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