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建築業界に対する現代のニーズに応える一級建築士を育てるための新たな場所/近畿大学

2024.12.26 | INTERVIEW

上/近畿大学東大阪キャンパス


一級建築士の受験資格取得が可能
社会人のリスキリングにも対応

近畿大学建築学部 オンライン学士プログラム 
2025年1月出願受付開始



日本有数の建築学部に オンラインで入学できるプログラム

建築業界の最前線で活躍する上で、重要な国家資格の一つである一級建築士。時代の流れと共にさまざまな社会問題や環境問題が顕在化するなかで、それらの課題に直面しつつ仕事をしなければならない建築家には大きな責任が伴う。20~30年前まで、建築は当たり前に安全なものだという、ある種の“性善説”のようなものが浸透していたが、その安心と安全に対して社会の厳しい目が注がれ、建築業界における一級建築士の存在は重要性を増している。一方、今活動している一級建築士の多くは、50代以上が6割を超えるとされ、高齢化や中小規模の設計事務所の後継者不足が問題となっている。これは、新たな資格取得者にとっての活躍のチャンスでもある。そして、その社会的要請に呼応するように、一級建築士の受験資格取得を後押しする大学の新たなプログラムがスタートする。

関西を拠点に全国にネットワークを持ち、多くの学生が学ぶ近畿大学。数ある学部のなかで、建築学部は、2023年の一級建築士合格者数が西日本1位、全国5位※と、建築業界において大きく貢献している。その建築学部において、2025年4月から「建築学部オンライン学士プログラム」が開設され、同年1月より出願受付を開始する。このオンライン学士プログラムは、日本で初めて大学の建築学部として通信制大学の環境を実現し、オンラインで学士(建築学)が取得可能な唯一の学部であり、一級建築士や二級建築士、木造建築士の受験資格を得ることができるのも大きな特徴だ。
近畿大学の建築学部は、前身である理工学部建築学科が設立された1963年から60年以上が経つ一方、通信教育部はそれより前の1957年設立と、より長い歴史を持っている。国内有数の建築学部と、これまで約4万5000人が卒業した通信教育部の知見に基づいた新しい取り組みは、社会と建築業界の変化に対応しようと進化を続ける同校の姿勢が表れている。「建築学部オンライン学士プログラム」の立ち上げに尽力した、岩前篤氏(副学長・元建築学部長)は、その背景について次のように語る。


自身のキャリアも活かし、オンライン学士プログラムの初期構想より関わってきた副学長・元建築学部長の岩前篤氏
自身のキャリアも活かし、オンライン学士プログラムの初期構想より関わってきた副学長・元建築学部長の岩前篤氏


「コロナ禍においてオンラインでの講義が行われるなかで、建築をどのように教育していくべきかを改めて見つめ直す機会となり、加えて、そもそも大学とは学生にとってどのような存在であるべきかを考えることになりました。大学は多くの人が集まる場所ではありますが、その一番の目的はただ集まることではなく、学びにあります。その意思をしっかり汲み取ることができれば、バーチャルでもさらに多くの分野のことを教育、発信できると感じました。パンデミックが落ち着き、以前のような対面の講義が戻ってくるなかで、この期間に得たバーチャルでの学びの経験をすべて無かったことにするのではなく、学ぶことへの意思に応える環境づくりに活かしたいという思いから、建築学部オンライン学士プログラムを立ち上げることになりました」このプログラムの目的として、通常の学生の進路としてだけでなく、社会人を始めとするリスキリングによるライフキャリアの形成も挙げられる。リスキリングとは、新しい知識や技術を学ぶことで、社会環境の変化に対応できるスキルを身につけていく、いわゆる学び直しのことを指す。すでに携わっている業界においてのキャリアアップ、また他分野のスキルを修得し仕事の幅を広げることや、その分野のことを深く理解しライフスタイルの充実を図るといった目的を後押しする行為として、世界的にも注目されているキーワードだ。
「学生時代を振り返ると、さまざまな出会いがあり楽しかった記憶もありますが、どこまで真剣に学ぶ姿勢を持っていただろうかということを考えます。特に建築の分野は、社会に出て多くの経験を積む中で、自分のなかでより必要な知識や技術が見えてくることがあり、常に学び、成長していく必要があります。大人になってから、もう一度学び直そうとする時のモチベーションや、学ぶことへの喜びは、ただその環境を享受していた学生の時よりも大きくなっていると感じます」(岩前氏)

社会的責任のある一級建築士主体性を持って学ぶ人をサポート

同プログラムでは、学生のライフスタイルに合わせた学修方法が用意されている。指定されたテキストを中心に自学自習し、ウェブでレポート提出や試験を受けるテキスト授業。大学独自で制作した質の高いオンライン講義などを受講するオンデマンド授業。教員から直接の指導を受けたい場合には、オンラインスクーリングによる対話しながらの設計演習なども受講できるほか、大阪・東京・福岡での対面のスクーリングも可能となっている。建築について一から学ぶ1年次入学と、別の大学で一定の単位を修得している人に向けた3年次編入学があり、それぞれ2~4年間、集中して課題に取り組むことで一級建築士の受験資格取得を目指すことができる。
「建築業界では、一級建築士が携わるべきもの以外にも多くの仕事がありますが、この資格を取得することで、自分が携わってきた分野の知見を活かしながら、建築家としてプロジェクトの成功や発展に大きく寄与する人材となれる可能性が広がります。また、建築やインテリアデザインといった空間の捉え方が多様化し、設計者の職域が広がって複雑になるなかで、高度な建築的知識を求められる場面も増えています。今、目の前のことに向き合いながら、同時にもう一度、建築を学ぶ場に触れてほしい。加えてこのプログラムでは、仕事をするなかで自分の適性に気づいた人、今まで手をつけてこなかった分野に本気で取り組もうとする人、自分のペースでスキルアップ、キャリアアップを図りたい人など、さまざま目的を持った人に応えられる環境が整っています。その環境をより有効に活かすことができるのは、受動的ではなく、能動的に学ぼうとする意思を持った人です。個人的に地域の設計事務所や工務店の方々と交流して印象的なのは、個人が強いエネルギーを持ち、人間力のある人がオピニオンリーダーとなって街を元気にしている姿です。資格取得も大きなメリットですが、同時に自ら学び、主体性を持って建築に向き合っていこうとする人に、ぜひ、一歩踏み出してほしい。そして、その人達がこれからの建築業界を支え、新しい時代をつくっていくことを期待しています」

※出典:公益財団法人建築技術教育普及センターHP


通信教育課程の学生も利用できる近畿大学内の施設「アカデミックシアター」。この他にも学生が利用できる施設やサービスが充実
通信教育課程の学生も利用できる近畿大学内の施設「アカデミックシアター」。この他にも学生が利用できる施設やサービスが充実

出願受付期間中であればいつでも出願が可能

入学期/入学許可日/出願受付期間

4月入学/4月1日/1月1日~4月30日(必着)
10月入学/10月1日/7月1日~10月30日(必着)




問い合わせ
近畿大学建築学部オンライン学士プログラム(近畿大学通信教育部)

〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
tel:06-6722-3265
mail:tsushin@kindai.ac.jp
https://www.kindai.ac.jp/tsushin/architecture/

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