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コンセプト提案から設計、施工、FFEと幅広い適応力でオフィスづくりをサポート/デザインアーク

2024.11.27 | REPORT

上/ホテルのような落ち着いた印象のロビーラウンジ。仕事や打ち合わせ、休憩などができるカフェエリアがあり、入居者は自由に利用できる


デザインアークでは大和ハウス工業のグループ企業として、空間にまつわる四つの事業を展開する。住空間を中心としたインテリア事業、エクステリアを中心とした建材事業、仮設事務所への備品やエアコン等を貸し出すレンタル事業、そしてオフィスやショールーム、ホテルなど非住宅施設の空間デザイン・提案を行うスペースソリューション事業だ。現在、同社は非住宅領域に力を入れており、体制も強化しているという。FFE(家具・什器・備品)の調達で長い実績があり、オフィスファニチャーもメーカーやブランドにとらわれず、顧客のニーズに沿った、より多様な提案・設計が可能だ。
ICTの進展にともない、オフィスでの業務作業はオンライン中心に移行しつつある。空間に求められるのは、より人間らしいコミュニケーションやアクティビティーをより質の高いものにできるかだろう。DEI(多様性/公平性/包括性)やSDGsなどの考え方も企業に浸透し、ワーカー中心のワークプレイスデザインを加速させる。とはいえ、コストや工期、立地や区画などの環境要素によって空間づくりは大きく変わってくる。そういう文脈で、今回は同社の適応力が発揮されたプロジェクトを紹介する。

大阪駅前の最新スペックを誇るレンタルオフィス

ロビーラウンジ内の壁面にはシェルフを備え、格子を取り入れた特徴なデザインでオリエンタルな雰囲気を醸す
ロビーラウンジ内の壁面にはシェルフを備え、格子を取り入れた特徴なデザインでオリエンタルな雰囲気を醸す


「コンパスオフィス」は、アジア・オセアニアの9都市でレンタルオフィスを展開するグローバルブランドだ。2024年7月にオープンした「イノゲート大阪」(大阪・梅田)の9~10階に新オフィスを設けた。大阪駅直結で、話題の「グラングリーン大阪」に面する最新のスペックを持つオフィスビルだ。
デザインアークは、ローカルアーキテクトとして設計マネジメントや施工を担った。クライアントがグローバル企業であるという点に加え、ビルのオープンに合わせるため、短工期であったこと、また駅と複合した大規模な再開発ビルで、テナント内装監理との調整業務もボリュームがあり、高い品質を維持しつつプロジェクト推進すべく、総合的な高いスキルが求められた。
デザインはコンパスオフィスで手掛けられ、グローバルなトレンドを踏まえたハイグレードなものだ。意匠や仕様を極力そのままに、法規やマテリアルなど日本での各種事情にアジャストしている。オフィスは、1フロア約1545㎡という大空間に天井高も3mとハイスペックで、主にガラスパーティションによるブースが多数配されるプラン。スタートアップオフィスや調査・開発のためのサテライトとしての活用が想定される。レセプションを兼ねた共用ラウンジは、コーブ照明の天井やカウンターなどの造作家具が施されたホテルライクな設えで、ユーザーがくつろいで業務もできる。
デザインアークのサポートによって、海外のエグゼクティブオフィスに劣らない空間が提供されている。


ロビーラウンジ内のパントリーエリア。全自動コーヒーマシンや電子レンジ、冷蔵庫、シンクを備えており、入居者が好きな時間に無料で利用できる
ロビーラウンジ内のパントリーエリア。全自動コーヒーマシンや電子レンジ、冷蔵庫、シンクを備えており、入居者が好きな時間に無料で利用できる


ロビーラウンジに面した最大12人まで収容できる会議室。コンパスオフィス大阪には有料会議室を全6室用意しており、入居者は1時間単位で利用できる 
ロビーラウンジに面した最大12人まで収容できる会議室。コンパスオフィス大阪には有料会議室を全6室用意しており、入居者は1時間単位で利用できる 


ガラスパーティションで仕切られたレンタルオフィスエリア。全173部屋を用意し、1 ~ 100人まで利用できる大小さまざまなオフィスを完備
ガラスパーティションで仕切られたレンタルオフィスエリア。全173部屋を用意し、1 ~ 100人まで利用できる大小さまざまなオフィスを完備

「コンパスオフィス」DATA


床面積/約3090㎡(2フロア合計)
施設利用者数/約700人(満室時想定)
工期/2024年1月~2024年6月
竣工/2024年7月

従業員のウェルネスを意識した公園のようなワークスペース

“ 会社を超えて、モノ・場所・ヒトとつながる公園”をコンセプトにした多目的ワークスペース。公園を巡るような有機的な動線を表現し、自然を感じさせる内装デザインが特徴
“ 会社を超えて、モノ・場所・ヒトとつながる公園”をコンセプトにした多目的ワークスペース。公園を巡るような有機的な動線を表現し、自然を感じさせる内装デザインが特徴


総合物流大手である「センコーグループホールディングス」の本社オフィス(東京・江東)に開設された「潮しおCafé」。センコーグループの掲げる健康経営宣言に則り、従業員のウェルネスを促進する目的を持ったマルチパーパスなワークスペースだ。同グループは物流を中心として多角的に事業展開しており、従業員の業務内容もさまざまだ。ここは休憩からランチ、交流やコラボレーションワークまで自由に使うことができる。デザインアークでは、コンセプト提案から設計・施工、FFEや細かなコーディネートまで全般に手掛けた。
バイオフィリックデザインを意識し、グリーンを多用。公園をモチーフに、見渡しの良さとラウンドした動線、カラーリングなどで、オフィスの機能性にワクワクする感情を引き起こすようなデザインを取り入れている。目的に応じた多様なゾーンをつくり、家具も多彩に揃えた。アウトドアを感じさせるリラックスチェアなどカジュアルな雰囲気を高めている。厨房設備があった食堂のリノベーションであるため、既存イスの流用や抑えられた天井高のような制限があるなか、追加した家具類で視線の高さを変え、窓際には小上がりを設けるなど、動線と合わせて変化を生む空間になっている。
レクリエーションのための卓球台や、弧を描いた大カウンターによる異部署間交流、小上がりをステージとしたイベントなど、クライアント企業の明確なテーマと意思に沿った、空間の整理や洗練に留まらない、生きたデザインとなっている。


デザインアークがデザイン・製造を手掛けた植栽プランター付きハイカウンター。仕事や休憩、ミーティングのほか、オードブルを並べて社内の会食にも利用されている
デザインアークがデザイン・製造を手掛けた植栽プランター付きハイカウンター。仕事や休憩、ミーティングのほか、オードブルを並べて社内の会食にも利用されている


景色を見ながらゆったりと寛げる小上がりスペース。一人掛けのラウンジチェアを配置し、仕事の休憩や気分転換に利用されている
景色を見ながらゆったりと寛げる小上がりスペース。一人掛けのラウンジチェアを配置し、仕事の休憩や気分転換に利用されている


大型モニターを設置し、社内イベントも実施されるラウンジエリア。一部天井が低い場所では圧迫感を感じさせないように、低い姿勢で空間を利用できるようなロータイプの家具を提案した 
大型モニターを設置し、社内イベントも実施されるラウンジエリア。一部天井が低い場所では圧迫感を感じさせないように、低い姿勢で空間を利用できるようなロータイプの家具を提案した 


卓球台とバランスボールを配したレクリエーションスペース。社内コミュニケーションの活性化にもつながっている
卓球台とバランスボールを配したレクリエーションスペース。社内コミュニケーションの活性化にもつながっている

「センコーグループホールディングス 潮Café」DATA


床面積/ 663.3㎡
施設利用従業員数/約500人
工期/2023年8月~2023年9月
竣工/2023年9月

デザインアーク

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