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機能性を高めた空間で使える和紙/大直

2024.10.28 | REPORT

上/素材感や自然素材から成る色は実物を見ることで、来場者は和紙の魅力を改めて感じた


山梨・市川大門には長い紙漉きの歴史があり、1000年以上さかのぼる。甲斐源氏の頃には質の良い紙として評判を集め、「肌吉紙」として江戸幕府の御用紙にもされた。その流れの一端として、大直は60年以上、和紙の製造・販売を手掛けてきており、障子紙で高いシェアを誇る。
今回の出展では二つの和紙のありようを見せた。一つは機械漉きの和紙。従来の手漉き和紙は手仕事ならではの味わいが美しいが、いわゆる再現性に欠け、建材・工業製品としては難しい部分がある。機械漉きはばらつきを減らし、建築・空間で使いやすいように機能性や加工適性を備えたものだ。耐久性や意匠性を高めるなど、さまざまなバリエーションがある。サイズも自由度が高い。
もう一つはアジアの和紙だ。大直は40年近くブータンやタイ、ネパール、ベトナムなど各地にある手漉き紙産地との交流を続け、現地の材料を使い、紙を漉く技術の情報交換をしつつ、新たな紙の開発をおこなっている。使用する原料や、それぞれの気候・風土によって、仕上がる紙には個性があり、風合いや色味なども実に多様だ。アジア的な土着性を感じさせながら、和紙としての品質があるものになっている。



「アジアの手漉き紙」。天然素材を使用しており、自然な風合いは空間に和の雰囲気を演出する
「アジアの手漉き紙」。天然素材を使用しており、自然な風合いは空間に和の雰囲気を演出する

大直

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