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景観材メーカーの知見を応用したアウトドア家具/風憩セコロ

2024.10.28 | REPORT

上/不燃軽量造作材「エアリライトルーバー」を天井に採用した図書館の空間イメージ


コロナ禍を経て、屋外空間を楽しむライフスタイルが日本でも定着した。また、公園などの公共空間に商業空間のノウハウが取り入れられるケースが増えている。その際、デザインの要の一つとなるのがアウトドアファニチャーだ。
欧米メーカーの製品が多く流通する中、メイドインジャパンの屋外家具として開発されたのが「wilco(ウィルコ)」だ。製造販売を手掛ける風憩セコロは、これまで屋外公共工事における景観材の製造を主な事業としてきた。照明灯やベンチ、フェンスといった景観材は耐水・耐久性が重要である。同社はそこで培ってきた知見や技術を応用し、アウトドア家具ブランド「アルソグ」を立ち上げ、その第一弾としてアームチェア「ウィルコ」が発表された。
構造材には、アルマイト仕上げを施したアルミ押出型材を使用。アームレストには、廃木材と廃プラスチックを混合したリサイクル率90%の再生木材を採用した。どちらも屋外の景観材に使われてきた素材であり、非常に高い耐久性とメンテナンス性を持つ。
座面や背もたれは、従来の屋外家具に多い水を弾く形式ではなく、水を通り抜けさせるという発想でデザインした。ポリエチレン樹脂100%からなる立体網状体クッションを、PVCコーティングしたポリエステル糸を織り上げた生地で包む。この構造により、座面に降り注ぐ水は速やかに下へ通り抜ける。実際に水を流すデモンストレーションが行われ、多くの人が足を止めていた。
座面の奥行きは530㎜で、日本人の体型に合った座り心地を追求した。構造材は溶接ではなくボルト接合にすることで強度を保ち、搬入や組み立てが容易にできる。また、座面や背もたれは取り外して洗濯することが可能。今後アルソグとして、ウィルコに加え、ミドルと高級の三つのラインを展開していく予定だ。屋外空間に最適化されたチェアが、ホテルのプールサイドやレストランのテラス、公園などさまざまなアウトドアシーンを彩っていくだろう。



屋外用アームチェア「ウィルコ」。写真の幅2140 ㎜ の3シートタイプの他、幅1500 ㎜、幅860 ㎜ のサイズがある
屋外用アームチェア「ウィルコ」。写真の幅2140 ㎜ の3シートタイプの他、幅1500 ㎜、幅860 ㎜ のサイズがある


展示では、水が通り抜けるクッションとファブリックの構造を示すデモンストレーションが行われた
展示では、水が通り抜けるクッションとファブリックの構造を示すデモンストレーションが行われた

風憩セコロ

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