Loading...

id+ インテリア デザイン プラス

インテリアデザイン・建材のトレンドを伝えるメディア Presented by 商店建築

  • Home
  • 記事を読む
  • REPORT
  • 技術に支えられたディテールがもたらす新しい風景「KOSEN」/摂津金属工業所

技術に支えられたディテールがもたらす新しい風景「KOSEN」/摂津金属工業所

2024.10.28 | REPORT

上/ブース正面。シェルフやハンガーラックなど豊富なラインアップを展示


「KOSEN(コウセン)」は、摂津金属工業所のオリジナルファニチャーブランドだ。創業88年となる同社は、店舗陳列什器などの製造を長く手掛けており、スチールを始めとした金属加工技術に長けている。そうした同社の特性や強みを生かしながら、普遍性のある飽きの来ないデザインで長く使ってもらえる家具のありようを追求した。デザイナーの江口海里氏が迎えられ、プロダクトデザインやクリエイティブディレクションを担った。シンプルな消毒液スタンドをきっかけに、新しい日常の風景をつくり出していくコンセプトだ。
2023年4月に発表、現在は7アイテムをラインアップし、ECサイトで販売している。最も象徴的なのは「ソーホース(架台)」だ。3本脚でバランスを取ったミニマルな形状が美しい。楕円のスチールパイプを使うことで、強度と剛性を得られ軽量になり、かつ角度で見え掛かりが変わり、フォルムの印象に奥行きをつくる。代償として加工の難度は上がるが、3次元曲面になる接合部などディテールは徹底、同社の技術力の見せどころでもある。テーブル、スツール、シェルフ、ハンガーラックには、いずれも脚にそのパイプを用いており、ブランドのアイデンティティーとも言える。「ソーホース」は好きな天板を乗せれば作業台になり、収納時はネスティング(重ね置き)ができる。ポップアップショップやテンポラリーなイベントでも気軽に使えることを意図した。他のアイテムはショップやオフィスなど場所を選ばずに使えるはずだ。
基本的な仕様はすべてのアイテムがスチールに粉体塗装で、サテンブラック、サテンホワイト、スエードライトグレーの3色。テーブル天板とスツールの座は木製(ウォールナット、ホワイトアッシュ、ブナ)にもできる。今回の展示では特注色のライトブルーも並んだ。
決して強い主張はせず、しかし存在感のあるデザインがもたらす「KOSEN」の魅力は、同社が培ってきた高度なものづくり技術と、ディテールから立ち上がる美しさという二つの面の交線から生まれたものだ。



3本脚が特徴的な「ソーホース」。カラーは4色展開でネスティングも可能。天板と組み合わせることで、作業台にもなるため使い方は自由
3本脚が特徴的な「ソーホース」。カラーは4色展開でネスティングも可能。天板と組み合わせることで、作業台にもなるため使い方は自由


スチールと木の組み合わせは、無骨さと温かみを兼ね備え、さまざまな空間での採用が見込まれる
スチールと木の組み合わせは、無骨さと温かみを兼ね備え、さまざまな空間での採用が見込まれる


摂津金属工業所

RELATED ISSUES

一覧に戻る

PAGETOP