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【PR】新しい光のありようをもたらすフィルム 日東電工「RAYCREA™」
2024.10.17 | REPORT
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照明器具のほとんどでLEDが光源に使われるようになった。今やLEDはエネルギー効率や省サイズだけでなく、演色性なども照明として十分な性能だ。半導体であるため、様々な制御も自在である。一方で、照明器具自体は電球(ランプ)を使っていた時代から大きく変化したとは言えない。ダウンライトを始め、天井から光を照らすことより進めていない。LEDの特性を生かせば、空間における照明ももっと多様なものになり得る、そう考える読者も少なくないのではないか。
透明なフィルムが光る
日東電工(以下、Nitto)はフィルムやテープなどの素材を幅広く手掛ける。とはいえ多くは我々が通常目にすることのない家電やICTデバイス、医療機器等に使われる“中間素材”で、グローバルにシェアを持っている。
Nittoが開発した「RAYCREA™(レイクレア)」※¹は、特殊な光学特性を持つフィルムでアクリル板などに貼ることで、小口から入射した光が面として発光し、いわゆる導光板のように作用する。研究開発本部光学技術研究センター・翁宇峰氏は「光源としての拡張性を踏まえて開発した」と話す。
特徴はまず点光源であるLEDを「面」として発光させ得ること。ロールtoロール※²で製造するため、大面積が可能だ(1200 ㎜幅)。そして導光板との大きな違いが、非発光時は無色透明であることだ。一般的なガラスフィルム同様に貼ってあることは認知できない。光を通すため、発光面の裏側からは発光時でも向こう側を見ることができる。更にフィルムのため、貼る基材の自由度も高い。板状のガラスやアクリルだけでなく、曲面にも貼ることができる。
重ねることのできる光
茨木事業所(大阪府茨木市)では、素材としての各種検証のため、乃村工藝社と協働し「RAYCREA™ Palette(レイクレア・パレット)」を開発・設置した。設計・デザインに携わった乃村工藝社・鈴木和真氏は、インタラクティブ装置、映像、音響、照明などによる特殊効果を用いた空間設計を手掛けている。
「フィルムであることを生かして、曲面にしています。同時に透明である、光が通るということはレイヤードにできる。光を重ねられる。つくってみて実感しましたが、重ねることで光量も増える。外光の入る空間でも、かなり光が目立つんです」と鈴木氏は話す。
「LEDを使った演出ではプログラムだけでなく映像をそのままソースにできるんですが、RAYCREA™はそういう表現にもマッチする。デバイスとしての可能性を非常に感じます。特にオンオフのコントラストが高い点は気に入ってます」
光れば面としてプレゼンスを発するが、非発光時は全く存在を感じなくなる。空間デザインでは器具の存在感は重要で、光そのものだけがある状態は、照明の理想的なありようの一つだ。
「フィルムだけど、板状に貼ることをしなくてもいいのかもしれない。クシャクシャにしたり、カーテン状にしたフィルムを光らせることだって技術的には不可能じゃないのでは」と鈴木氏はより先の表現を展望する。
Nittoでは照明としての可能性を追究するため、更なる研究開発を進めている。ガラスの建具やパーティションとして光らせるアイデアは実際に検証中だ。一般に面の輝度を高めることは空間の明るさ感向上につながり、省エネルギーの観点からも可能性を模索する。アンビエント照明の新しいかたちになり得る。また、光は人の生理や心理に直接影響を与えるものだ。研究開発本部光学技術研究センター・田中智也氏は「RAYCREA™で人の生活を豊かにする、QoLを上げるような光の使い方に変わる。そういう期待と目標を持って進めています」と語る。
当たり前と思っていた照明のあり方が大きく変わるチャンスを、RAYCREA™がつくり出す。引き続き12月号ではアートとしてのRAYCREA™を紹介したい。
※¹ RAYCREAはNittoグループの日本国およびその他の国における登録商標または商標です
※² ロールのフィルム基材を加工後、そのままロールに巻き取る製造方式。生産効率に優れ、大量生産に適する