-
持続可能なものづくりをかなえる素材「デザイニングメタル」/日本製鉄
2024.07.26 | REPORT
-
鉄は古来より建築に欠かせないマテリアルだ。内装では間仕切り、家具や什器などさまざまなかたちで多く使われている。オフィスでは働き方の変化、ペーパーレスやオンライン化に伴い、例えば、Web会議用の個室ブースなどにもスチールが多く使われる。
日本製鉄はマテリアルを提供するサプライヤーとして、改めてスチールの魅力、特に社会や企業の大きな課題となっているカーボンニュートラルの視点から「デザイニングメタル」を紹介。
鉄はリサイクルの際、選別が簡単にでき、品質も低下しないため、何度でも何にでも多様な別の鉄鋼製品に再生ができると言う点でサーキュラーエコノミー(循環経済)の優等生だ。一方、高炉法と呼ばれる現在の製鉄法(原材料である鉄鉱石と石炭を化学反応させ鉄を取り出す製法)では、1tの鉄をつくる時に約2tのCO₂を排出してしまう。そのため、水素還元などを利用した新たな製造方法にチャレンジしつつ、“グリーンスチール”の生産・提供、さらには社会全体のCO₂排出量削減に貢献する製品・ソリューション提案に注力している。
例えば、家具や什器を製造する際の塗装などの加工プロセスでも1.3~1.5tの排出があるという。今回、日本製鉄が展示した「デザイニングメタル」は意匠系の製品ブランド群。製鉄所からの出荷時にあらかじめ、意匠やカラーリングが施され、かつ加工性の高い鋼材だ。客先での加工プロセスにおいてCO₂を多く排出する塗装やめっきなどの処理を省略できる。
「FeLuce(フェルーチェ)」は、素材自体の美しさと機能性を両立したヘアライン調のプレめっき鋼板。曲げや絞りの加工をしても表面に影響がなく、意匠が維持される。優れた耐指紋性も魅力の一つ。「ビューコート」は高品質なプレコート(塗装)鋼板。ロール目のない外観やマット感の付与など高度な外観品位の塗装が可能なうえ、良好な加工性を誇る。黒色めっき鋼板「黒ZAM」は、めっき層自体を黒色化処理して生まれたマットな風合いが目立たせたくない部材に限らず、意匠としても面白い素材だ。
また、多彩な発色を実現した意匠性チタン「TranTixxii(トランティクシー)」も展示。チタンは長寿命な素材であり、ライフサイクルコスト低減・サステナビリティ実現に貢献する素材と言える。
日本製鉄
- TEL. 03-6867-5307
- URL. https://www.nipponsteel.com/