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第2回 サンワカンパニーデザインコンペ 施工事例コンテスト 最終結果発表
2016.05.20 | REPORT
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2015年11月27日、東京・表参道のサンワカンパニー東京ショールームは普段とは違う緊張感に包まれていた。「第2回サンワカンパニーデザインコンペ 施工事例コンテスト」最終審査のため建築家・藤本壮介氏をはじめ5名の審査委員が集合し、1次、2次審査の通過作品から最優秀賞(賞金30万円)と優秀賞(賞金10万円)、入選作品が選出された。
コンテストは「住宅部門」、「商業施設部門」に分かれ全国から計227作品(写真点数700点以上)が寄せられた。応募資格はサンワカンパニーの建材や設備を1点以上使っていることで、その点数や量は問われないがプロカメラマンの写真(3点以上)で応募するという条件がある。これには「質の高い作例から空間演出の多様性を広く知ってほしい」(山根太郎代表取締役社長兼CEO)という主催者の思いがあるそうだ。
1次審査の社内投票で絞られた40作品は、東京・大阪・名古屋・福岡の各ショールームに展示され、来場者による投票結果から、各部門10点ずつが最終審査に進んだ。
審査は住宅部門からスタートした。テーブル上に10点の写真を並べ、各審査委員が投票していき上位5点が選ばれた。同点の作品については納得いくまで意見を闘わせ、タイルの目地のとり方など微妙なところで差がついていく。上位5点から更に上位2点が選ばれたが、どちらを最優秀にするかで意見は分かれ、決定を保留してから商業施設部門の審査を進めることになる。
結果、「商業施設部門」最優秀賞は山本嘉寛建蓄設計事務所、その後「住宅部門」の最優秀賞にakkaが選ばれた。建築家、編集者、メーカーと、それぞれの立場から評価が分かれる場面がありつつも、建材・設備の新たな可能性を見いだした作品が高く評価された。なお次回は2016年夏頃の募集が予定されている。
審査を終えて
- 藤本壮介
- 審査委員長
藤本壮介建築設計事務所
住宅部門最優秀賞のakkaによる作品は、ナチュラルな空間にメタリックなステンレスキッチンを調和させた点を評価しました。商業施設部門最優秀賞「山本嘉寛建蓄設計事務所」のテーブルは「Pタイル」という素材を一面に貼ることによってテーブルが別の存在になり、オフィスでの働き方をダイナミックに変える可能性を示しています。審査中は、写真から見える情報をもとにデザイン意図を想像し、審査員同士で意見を交わすうちに最初の印象とは異なる点が立体的に見えてきました。こうした実作がユーザーの想像力を刺激し、発想を広げるきっかけになると嬉しいですね。
- 山倉礼士
- 月刊商店建築
編集長
商業施設部門では、食材を魅力的に見せるレストランやヘアサロンなど幅広い空間から、そのオリジナリティーと、素材をどう活用しているか、という二つの視点で審査しました。住宅部門でも同様に、そのデザインがどう生活を豊かにしているか、といったことに注意しながら、写真を見たのですが、新しい“気づき”を多く得た有意義な審査となりました。
- 山根太郎
- サンワカンパニー
代表取締役社長兼CEO
当社はインターネットを軸にした直接販売により、輸入建材や装飾部材、デザイン設備などを幅広く使えるよう尽力してきました。今回のコンテストでは、期せずして「Pタイル」というロングライフ建材と、ステンレスキッチンという最新アイテムが最優秀賞に選ばれ、当社の歴史を振り返る上でも意義深い作品が選出されたと感じます。
- 荒砂康行
- サンワカンパニー
取締役COO
自社の製品を利用した数百点の作品を一同に見ることは初めてで、質の高い空間の中に当社製品を選んでいただき大変うれしく思っています。こうした実例を参考にすることで、施主や工務店、設計者のコミュニケーションもより円滑になると思いました。
- 原野繁之
- サンワカンパニー
取締役CCO
床材をテーブルに利用した作品などから、我々開発者の想定を超えた自由な発想や表現手法をたくさん知ることができました。今後の開発に生かしたいと思うと同時に、建材・設備の透明性を高めていくことへの責任をあらためて感じました。
サンワカンパニー
- TEL. 0120-468-838
- URL. http://www.sanwacompany.co.jp/