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ローランド ディー.ジー.は、大型グラフィック・サイン等を出力する業務用インクジェットプリンターが主要製品のメーカーだ。インクジェットプリンターの技術は発展を続けており、メディア（印刷対象物）やインクも高機能・多様化が進んでいる。同社はメーカーであるが、今回の展示では、「Roland DG Interior Décor Solution」をうたい、機器そのものよりもインクジェットプリンターがもたらすさまざまな可能性、アプリケーションを提示したかたちだ。
筆頭は「DIMENSE（ダイメンス）」という、世界唯一のエンボス表現を可能とするストラクチャープリンターを使ったプレゼンテーション。リトアニアに設立した合弁会社の製品であり、2024年1月から販売が始まった新製品だ。専用メディアとストラクチャーインクと呼ばれる特殊なインク、水性樹脂のCMYKインクを併せて用いることで、オンデマンドによるフルカラーグラフィックとエンボス加工を実現している。立体加工そのものをデータとしてデザインできるため、非常にオリジナリティーの高い装飾表現ができる。ブースではエンボスの出力物にあえてアナログな塗装を組み合わせ、とてもプリンター出力には見えないものもお目見えしていた。
また大型フラットベッドプリンターは、最大高さ242㎜までの立体物へのプリントを可能とし、凹凸や曲面へも対応する。素材自体も布や革、木やプラスチックなど選ばない。インクの重ね打ちをすることで立体的な質感も表現できる。
他には、UL ECOLOGO認証を取得した環境配慮型のレジンプリンターやセラミックオブジェを出力できるバインダージェット方式の3Dプリンターなど、先端機能と多彩な表現力を併せ持った、同社の技術を見ることができた。
インテリアデザインは概して一品ものであるため、オンデマンドで多品種少量生産のできるインクジェットプリンターは相性がいいはずだ。ごく一般的なイメージの“簡便な出力物”ではなく、より創造的で独自の表現を支えてくるデバイスと考えていいだろう。