-
無印良品によるプロ向け什器・内装材/良品計画 空間設計部
2023.10.27 | REPORT
-
「無印良品」はその創始から生活、暮らしという領域において、さまざまな製品を生み出してきた。田中一光を始めとして多くのクリエイターも関わってきた理念やデザインは、消費者から多くの支持を得て、世界で1000店舗以上を持つまでに大きく成長した。雑貨や食品から始まったラインアップも今や非常に多岐に渡るが、その多くが生活者向けのコンシューマー製品となっている。
2023年9月に発表されたのは、プロフェッショナル向けのプロダクト販売だ。無印良品を展開する良品計画では、“暮らし”をより幅広く捉え、社会のさまざまな場所において、空間事業を進めている。「家・オフィス・商業・公共」と領域を広げ、団地のリノベーションや古民家再生、シェアオフィスのデザインなど、モノだけに留まらないコミュニティーや地域の再構築といった分野を手掛けている。
そうした流れの中で、実際の店舗や企画・設計した空間で培った経験やユーザーのフィードバックを得て、開発されたのが、今回の商品となる。「日本の木でできた家具」「什器・備品」「内装材」「設備」のカテゴリーがあり、全33シリーズを新規に開発した。具体的には、「什器・備品」ならロッカーやシェルフ、ワークデスク、テーブルなどオフィスやバックヤードで使えるようなものや、「内装材」ではフローリングや建具、レバー金物など。もちろん、いずれもプロ向けの製品として、耐久性やサイズ感などスペックは一般向けの製品とは異なるものだ。
また、2021年を「第二創業」と位置づけた同社ではブランド創始期から変わらないものづくりを継続しており、このシリーズでも、「素材」「工程」「包装」という部分を改めて吟味厳選し、ニーズや機能に対しシンプルでストレートなプロダクトとなっている。より“無印らしさ”を感じられるプロダクトと言ってもいい。
ユーザーイメージとしては、オフィスであれば50名程の従業員で広さ100坪程度の中小規模企業がコアターゲットだという。これらは商品単体での販売の相談も可能。また、設計事務所や工務店などがプロジェクトで用いるコントラクト家具、マテリアルとしても想定される。
先述の空間にまつわる事業は、同社の空間設計部が担っており、このプロ向けプロダクトも同部による企画・販売だ。製品を空間設計におけるエッセンシャルな素材として活用してもらうために、さまざまなサポートも期待できる。オーダーにもよるが、サイズや色などのカスタマイズなども対応できるという。
「無印良品 グランフロント大阪」と「無印良品 東京有明」には、空間設計部のオフィスがあるため、そうした相談や案内も可能だ。特に「グランフロント大阪」は2023年9月にリニューアルし、実際に製品を店内で使用しているため、ショールーム的に実物を確認することもできる。
クリエイターも含めて、いわゆるファンが多く、製品をオフィスや店舗で使いたいというニーズもあった「無印良品」。プロの設計や仕事の場に登場したことで、その理念やデザインが改めて評価されることにもつながるだろう。
良品計画 空間設計部
- TEL. 03-6380-7818
- URL. https://www.muji.com/jp/space-design/product /