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環境配慮型什器メーカーへの転換を目指す/中日販売

2023.07.28 | REPORT

上/2023年にリニューアルし、什器メーカーとしての環境配慮の姿勢を前面に打ち出したショールーム。詳細・予約はhttps://www.chunichi-co.jp/showroom/


中日販売は創業から69年、陳列什器メーカーとして歩んできた。いわゆるゴンドラと呼ばれるスチール什器を中心に、高度経済成長期の大量生産大量消費から、バブル経済を経て、消費の多様化・成熟化がうたわれる現在まで小売業界の変遷を見てきた。それだけに、近年のSDGsの動きには積極果敢に取り組んできている。2019年に開設した豊明ロジスティクスセンター(約1万2000坪)では、物流の集約・効率化を図りCO2削減。また全面的に太陽光発電パネルを設置した。名古屋市内の本社屋はBELSのNearlyZEB認証も取得している。
何より、製品自体にも持続可能なものづくりを採用している。ゴンドラ什器はスチールが基本で、丈夫であるとともに素材単位で分解しやすい設計としている。リユースに向いているし、鉄はリサイクルの優等生である。
加えて、同社ではリデュース、廃棄を削減できる環境配慮素材による製品化を進めている。その一つが繊維リサイクルパネルである「PANECO(パネコ)」だ。衣料廃棄(ファッションロス)は膨大な量の焼却や埋め立てを発生させ、まさに世界的な課題。パネコは粉砕した衣類の繊維質で90%以上を構成されたアップサイクルプロダクトだ。中日販売ではパートナー企業として、パネコを使って製品化し、メーカーの立場からサポートに努めている。
パネコは加工性が高く、強度もあるため、棚板や側板、あるいはトレーや小物などさまざまなものでの利用を進めている。新たな試みとして、成形合板と一体にした椅子のシェルも開発した。パネコ自体はさまざまな繊維の色味が見え、表面の触感にも繊維らしさが残る面白い素材だ。
こうした取り組みは単に資源の再利用に留まらず、社会やユーザーへの啓蒙にもつながるし、場合によってはそれがより大きな効果を生む。デザインが大きく貢献できる領域でもある。同社では、さらにさまざまなリサイクル・アップサイクル材による開発を進めており、メーカーとしても新たなフィールドを開拓している。



同社では、スリット機能の特性とサステナブル素材のノウハウを生かして、働く場での家具・什器活用提案も行っている
同社では、スリット機能の特性とサステナブル素材のノウハウを生かして、働く場での家具・什器活用提案も行っている


同社の製品に用いられる素材は、その特性のみならずどのようにリサイクルされるかもわかりやすく提示されている
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