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商材の背景やコミュニケーションが得られる、ショールームの新しい形
/NAGOYA MOSAIC SOLUTION TOKYO2023.05.26 | ショールーム
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地下1階から2階までの階段吹き抜けを貫くアートワークは、タイルの魅力を詰め合わせた同ショールームのフォーカルポイント
GUEST
越膳博明氏(乃村工藝社)
https://www.nomurakougei.co.jp/
〈近作〉
トレーディングポスト青山本店、長崎街道かもめ市場 など
名古屋モザイク工業の東京ショールームは2022年9月に「NAGOYA MOSAIC SOLUTION TOKYO(ナゴヤモザイクソリューショントウキョウ)」として生まれ変わった。単なる陳列・展示だけでなく、ギャラリーのように見せるポイントを定め、インスピレーションを喚起するさまざまな試みや仕掛けが施された新時代のショールームだ。地下1階はインテリア、1階は床、2階は外壁とタイルの用途毎にフロアを構成。さらに3階には立体タイルや特注タイルなどの検討や打ち合わせができるラボと呼ばれるスペースが、5階には社内外のコミュニケーションできるラウンジも用意される。
乃村工藝社の越膳博明氏は、「近年ではインテリアでも立地やエリアのコンテクストを踏まえたデザインが求められます。目に見えるカタチだけでなく、その背景やストーリーを取り込んでいかなければならない。だからこそ、ショールームではカタログの空間化に留まらない、商材の背景にある情報やコミュニケーションが得られるといい。ようやくコロナ禍から出られて、リアルな空間の価値を見つめ直したい。ブランドの発信やここで働く人も含めたソリューションも実現できるはずです」と話し、ライブラリも備えた3階に興味津々であった。
3階のラボは海外事例で用いられた特注タイルなどを展示。「釉薬の原料なども見られるとなおよい」とさらなる機能充実を期待する感想も
2階での壁全面のスライドパネルや、色とテクスチャーのマトリックスパネル、オープンストックのサンプル棚など工夫された展示には、「大判サイズを見られたり、多くの商材を直観的に見られるというのは、取り寄せたサンプルの範囲からではできないことです」。
「あえてタイルの裏面を表にして貼ることも多くなるのでは」(越膳氏)。タイルの裏面はショールームで現物を手に取るしか確認する術はない
タイルの表面だけでなく、側面裏面も確かめられる。新たな使い方や可能性をひらめくのもショールームという場の持つ力だ
また、特注のハンギングレールで展示された大判タイルに「可動できる展示は工夫があっていいですね。訪れるたびに違う空間に出会える」と越膳氏。STUDIO SAWADA DESIGNによるタイルを使った吹き抜けのアートワークも「インスピレーションを誘う」と目を見張った。
「タイルは長い歴史や文化の蓄積がある素材です。そうしたヘリテージと新しい技術が導く未来、ショールームであればそのどちらも見せられるし、感じられる。さらにオープンでアクティビティーのある場所と空間を期待しています」と語った。
タイル表面の質感、特に釉薬を用いたものは施工後に人が触れる可能性が高い。そのため、触って確かめるプロセスが欠かせない
可動式の展示は多くの製品を手軽に並べて見られる。タイルのように質量のあるマテリアルの場合、特に有益だ。同ショールームでは照明のあたり方の検証も可能
NAGOYA MOSAIC SOLUTION TOKYO
- 東京都渋谷区代々木1-21-8 クリスタルハウス
- 営業時間 10:00 ~ 17:00
- 定休日 日曜、祝日
- TEL. 03-5350-3111
- URL. https://www.nagoya-mosaic.co.jp/