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新しい空間の価値を生み出す 革新性とタイムレスなデザイン/Knoll Japan Showroom
2023.05.26 | SHOWROOM
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GUEST
アストリッド・クライン氏 (クライン ダイサム アーキテクツ)
https://www.klein-dytham.com
〈近作〉
代官山 T-SITE/蔦屋書店、GINZA PLACE、星野リゾート リゾナーレ那須 POKO POKO、カルティエ 心斎橋ブティックなど
1938年にニューヨークで創業した家具メーカー「Knoll(ノル)」。バウハウスが提唱するモダンデザインの思想を受け継ぎ、トレンドに合わせた装飾的なデザインではない、建築空間に寄り添うようなシンプルなデザインの家具を多く生み出してきた。Knollの家具の特徴は、世界的なアーティストや建築家とのコラボレーションによるモダンなデザインと、時代を越えて愛される永続的な価値を体現する設計思想だ。現在、同ブランドを象徴するKnoll Studio、高いデザイン性と実用性を備えたKnoll Office、それらの家具にマッチし独自の世界観を形づくるKnoll Textilesを中心としたプロダクトが展開。今回はそれらを一挙に体感することができる東京・青山のショールームを、商業空間からオフィスまで多彩なデザインを手掛ける建築家のアストリッド・クライン氏(クラインダイサムアーキテクツ)に巡ってもらった。
「Knollの家具は普段の生活空間に溶け込むデザインでありながら、その空間の価値を高め、自分らしさを表現できるようなプレシャスな印象がある」というクライン氏は、自邸でKnollのダイニングテーブルを愛用しており、さまざまな用途にフィットする汎用性も魅力だと語る。また、そのクリエイターのコンセプトに基づく機能性と、そこから広がっていくコミュニケーションや新しい使い方は、近年、働き方が大きく変化するなかでニーズが高まるKnollOfficeのプロダクトにも表れている。Knoll Officeでは、単なるオフィス家具ではなく、その企業の課題を解決し、ワーカーの会話や一体感、帰属意識を醸成するような「Thriving Workplace(活気のある職場)」を生みだすことを目的としたプロダクトを展開する。その理念から生まれた「Antenna」のデスクや「Generation」のチェアに触れたクライン氏は、「あらゆる場所からアクセスでき、自分なりの仕事の仕方を見つけられるようなデザインが良い」と語る。その可変的な機構や動かしやすいつくりは、現代のオフィスの在り方を体現するものだ。
さらに、多彩なバリエーションに加え、環境性能や耐久性を始めとする機能を持ちKnollの家具にも合わせることができるKnoll Textilesを手にしたクライン氏は、「暮らしと仕事の距離感が近くなっている今のワークスペースにおいて、好みの色や触感など、空間の印象を和らげ、リラックス感を生み出せるテキスタイルの存在は大きい」と語る。これら家具やテキスタイルにおける、人の行動や感情に寄り添うようなデザインは、レジデンシャルな家具から始まったKnollだからこそ形にできたものだろう。「Knollの確固たるスタイルはあるけれど、過剰なスタイルの押しつけではない、タイムレスなデザインは、今の多様化する住まいやオフィスに大きな価値をもたらしてくれる」と話すクライン氏の言葉通り、さまざまな用途を受け止めながら、今の多様化する住まいやオフィスを緩やかにつなぎ、価値のある空間と体験を生み出し続けるKnollのプロダクトに今後も注目していきたい。
Knoll Japan Showroom
- 東京都港区北青山1-1-1 青山ビル1階
- 営業時間 11:00 ~ 19:00
- 定休日 日曜
- TEL. 03-6447-5405
- URL. https://www.knolljapan.com