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ワーロンは、本物の和紙を塩化ビニルでラミネートした製品によって、建築内装業界では幅広く認知されている。製品自体は、1960年の発売から60年以上愛される王道的なアイテムで、会社の創業は実に100年となる老舗企業だ。
主力製品となる「ワーロンシート」は、和紙独特の意匠性を保ちながら、破れやすい、水に弱いという和紙の弱点を補っており、現代の和風空間、特に建具では欠かせない存在だ。色柄のバリエーションも豊富であることから、住宅を始め、ホテルや商業空間においても照明器具やサインなど、さまざまなところで採用されている。海外でも好評で、アメリカや中国を中心に世界各国へ輸出されている。本物の和紙の持つ繊細で、光を漉すような表情は、日本的な“紙の建築文化”を象徴するものとして人気があるようだ。
2022年7月に新工場とテクノセンターを開設し、それを受けて同10月に新規開発・発売されたのが、「ワーロンシート」(厚さ0.2mm)と「ワーロンプレート」(厚さ1.0~2.0mm)の抗菌・抗ウイルスタイプ。SIAA(抗菌製品技術協議会)の認証マークを取得したものだ。製品表面に抗ウイルス・抗菌剤がそれぞれコーティングされており、ISOに則った抗ウイルス性試験では、製品上に付着した特定ウイルスの数を24時間後に99%以上減少していると評価され、SIAAの基準を満たしている。今回はオーソドックスな雲竜柄と無地の二種類で、厚さやサイズもバリエーションをそろえている。
「ワーロンシート」は介護施設・高齢者施設などでの採用も増えている。そうした施設では、手が触れやすい場所への小まめな消毒も管理運営者には負担になる。今回の新たな機能は施設管理者・エンドユーザー含めて、より安心感を提供できる素材として、ワーロンがこれまで培ってきた製品思想の延長にあるものだ。和紙の美しさはそのままに耐久性に優れ、さまざまな空間で活用できるインテリア素材が、時代のニーズをくみ取って、さらに進化したと言える。
同社は2023年に、JAPANSHOPやCareTEXといった総合展示会にも積極的に出展。ぜひ実物を確認してほしい。