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2022年9月にオープンしたヘアサロン「LUANA（ルアーナ）」は、モルタル調の素材を基調としたクリーンで洗練されたデザインのヘアサロンだ。店内は、三つの半個室と完全個室のセットブース4席で構成されている。サロン代表の竹内康さんは、「隠れ家のようなプライベート空間で、お客様にくつろいでいただける店を目指しました」とコンセプトを語る。店舗の設計を担ったのは、サロンデザインを中心にさまざまな空間を設計するタフデザインプロダクト。ディレクターの望月優さんが全体のディレクションを行い、デザイナーの秋山日奈さんが空間へと落とし込んでいった。
立地は、愛知・名古屋のJR千種駅からほど近く、洋服店を併設する住居として使われていた建物の1階だ。スケルトンにして天井の低さを和らげつつ、セットブースのみ既存天井を残すことで、包まれたような居心地の良さを演出した。「古い建物の特徴を活かし、リラックスして施術が受けられる空間としています」と秋山さん。半個室ながら壁一面のミラーによって圧迫感が軽減され、実際より広く感じられると好評だという。店内奥に位置するシャンプーブースは、濃茶の木目が奥行きを生むと共に、白と淡いグレーで構成された空間を引き締めている。また、住宅をヘアサロンに改装するにあたり、設備面のスペックの低さが課題となった。特にヘアサロンにおいて欠かせないのが給湯設備である。
「水道管が太ければ壁付けの小さな給湯器で十分ですが、ここは住宅用の古く細い水道管しかなかったので、水圧が弱くなることが懸念されました。加えて、シャンプーユニットを3台置きたいという要望もあり、給湯設備のアップデートが必須でした」（望月さん）
複数の問題をクリアするべく採用されたのが、貯湯タンクを備えた置き型の給湯システム「クイックボイラー」だ。給湯器で沸かしたお湯をタンクに貯めることができ、ポンプ加圧によってシャンプーユニット間を循環する仕組みとなっている。そのため通常の貯水タンクに比べて、安定した水圧・水温で素早い出湯が可能になる。これが大きな特徴だ。「高機能に加え、コストパフォーマンスにも優れています」と、望月さんは決め手を話す。「以前勤めていたサロンでは、一方でお湯を出すと、もう片方では出なくなることが度々ありました。現在は、3台同時に使っても水圧・水温が安定しています。初めての開業で、特に設備面に関しては不安もありましたが、クイックボイラーを提案していただけて良かったです」と竹内さん。
なお設置場所は、シャンプー台の近くが好ましいという。「LUANA」では、シャンプーブース横の建物裏のスペースに設置している。スペースとガス供給さえあれば、サロンワークにおいて重要な水まわりの環境が整うわけだ。クイックボイラーが、顧客の満足度を向上させると共に、サロン空間の出店場所や席数においても可能性を広げる一役を担ってくれるだろう。

QUICK BOILER
クイックボイラー

ビューティガレージと、熱エネルギー機器メーカーのリンナイが共同開発したサロン専用加圧給湯システム。加圧タンクの外形サイズは、w469×d560×h1551㎜とコンパクトなため、限られたスペースにも容易に設置ができる。導入時や設置後のサポート体制も充実しているほか、リースでの導入にも対応する。