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優れた木工技術とデザインの融合/アンドリューワールド

2021.02.25 | INFORMATION

スペイン南東、地中海に注ぐ河口の都市、バレンシアは工業経済、また文化芸術の都市として知られる。1955年、この街に創業されたアンドリューワールドは曲げ加工に優れた小さな工房からスタートし、クラフトマンシップの伝統を守りつつ、今やその8割を世界124カ国以上に輸出展開するグローバルな家具メーカーとして知られる。日本とも早くから繋がりはあったが、2016年には東京にショールームをオープンさせるほど、日本市場を重視している。

木で培った技術をもとに、アルミ、スチール、樹脂など多様な素材に最新のテクノロジーを用いた製品をおくり出している。自社で植林した森林と製材所を東欧に置き、文字どおり土を耕し木を植えるところから始め、生育した木材を乾燥のために数年間寝かせ、加工するまで一貫している。その素材は環境保全団体、FSC(森林管理協議会)から保証されたものだ。木ほど温かみと気品のある素材はないという認識から、職人の技術の継承と人材の維持には腐心しており、その伝統の技術は製品の耐久性、堅牢さと仕上げの美しさに表れている。



同社は製品の精緻さはクオリティーと一体であると考えており、10年間保証を可能にする品質管理を誇りにしている。サステナビリティーにおいても業界をリードするほどの高い意識を持ち、2030年までに循環経済を考慮したデザイン、素材、技術を三位一体にする。パトリシア・ウルキオラのデザインによる「Nuez Lounge BIO」においてはエコ100%のプラスチックを、「Circular ONE」では、ペットボトルやテキスタイルの廃材をリサイクルして使用している。



Nuez Lounge BIO」チェア、テーブル、スツールがそろうシリーズ。生物分解・堆肥化可能なBIOサーモポリマーを業界で初めて採用。張地も100%リサイクル素材を用いることで、サスティナビリティを追求
Nuez Lounge BIO」チェア、テーブル、スツールがそろうシリーズ。生物分解・堆肥化可能なBIOサーモポリマーを業界で初めて採用。張地も100%リサイクル素材を用いることで、サスティナビリティを追求


また、デザイン性の高さでも高い評価を得ており、スペインで最も名誉あるナショナル・デザイン・プライズを2007年に受賞。前述のパトリシア・ウルキオラをはじめ、ジャスパー・モリソンなど有名デザイナーとのコラボレーションを行っている。デザイナーそれぞれの個性と彼らのパースペクティブ(切り口)によって新たな価値が生み出せると確信しているからである。過去15年間若いデザイナーたちの才能を生かすため、国際的なデザインコンペも開いてきた。



パンデミックの時代、アンドリューワールドは、さまざまな空間が将来的にリ・デザインされていくことも視野にいれて、ニューノーマルの時代のルールを守り、新しい現実にふさわしい家具のあり方を建築家やデザイナーたちとともに考え、製品をつくっていきたいと考えている。



「Hula」座面と台座のシンメトリーとアルミ製フットレストが楽しげなフォルムのスツール。豊富なカラーバリエーションをそろえる。布張りの座面が快適性を高めている
「Hula」座面と台座のシンメトリーとアルミ製フットレストが楽しげなフォルムのスツール。豊富なカラーバリエーションをそろえる。布張りの座面が快適性を高めている


「Solid Conference Table」シンプルなデザインのテーブル。素材は選択可能。昇降機能が付けられ、パブリックスペースやプライベートスペースの打ち合わせスペースに
「Solid Conference Table」シンプルなデザインのテーブル。素材は選択可能。昇降機能が付けられ、パブリックスペースやプライベートスペースの打ち合わせスペースに

アンドリューワールド

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