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店舗での体験価値を高めるサインとは
2020.09.16 | INFORMATION
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サインは店の顔と言われる。初めて訪れたお客は店名の書かれたそれを見て、人柄ならぬ“店柄”を見定めようとするだろう。
サインといってもさまざまで、カッティングシートを貼ったものでも、店主の手描きでも、ディスプレイに映し出されたデータでももちろん構わない。精巧なカリグラフィーや均整の取れた美しいフォントも今や難しいことではない。それでも店舗を実際に訪れたときに、あなたが“店柄”を見るときに期待するものは何だろうか。東京・両国に本社を構えるオミノでは、国内の店舗・さまざまな施設などのサイン製作を手掛ける。ABS樹脂やアクリル素材、金属を加工した、「ナノ マテリア サイン」と樹脂素材、金属筐体と高輝度LEDを組み合わせた発光サイン製品の「ナノLEDサイン」が 主力製品である。同社が強みとするのは、注文製作となるサインの一つひとつに対する多彩なソリューションだ。
「例えば、ステンレスの切り文字を求められたときに、実はそこにはさまざまな答えがあります。本物のSUSを使うこともありますし、ABS樹脂のメッキでもいい、『メタキャストサイン(液体金属塗料を用いた製品)』でも仕上げられる。そのサインが付けられる環境、サイズ、コストそれぞれに応じて最適なものを提供したい」と同社代表取締役の小美野敦士氏は話す。どのようにサインを付け、どう見せるのか。設置箇所の素材や見え掛かりも含め、状況に応じたいろいろな提案が可能だ。
「昔から看板屋さんは、金物も扱える、電気にも通じてる、塗装もできるっていう感じで、いろいろなことができました。言うなれば、多能工的な職種なんです」
現在でも機械加工やコンピュータ制御を使いながらの切削などを行うが、塗装、LEDの実装、組み込みまでの手仕事技術が今までの経験値、複合的なノウハウが絡み合うことで他社にないよりよいサインが生まれるという。同社はゼロから完成品までワンストップでそれを扱える。「何でも相談していただきたい。サインでできないことはない、となるのが目標です」
また、設置・施工時に配慮したディテールや素材についても熟知しているのは、かつて同社でも施工を受注していたため。現在はメーカーとして、ものづくりに専念する。それ故、どの選択肢においても、サインのものとしての質感については譲らない。機械だけに頼らずに、人が手を掛けて、品質を維持する。
「私自身、質感のあるものが好きというのもありますし、手業にこだわったものづくりというものを志向しています」。その一端が、自社オリジナルで製作した仕上げや素材のサンプル帳だ。「クライアント様にはモノを見たい、素材や質感を自ら確かめたい、という要望が強い。打ち合わせもスムーズで早くなります」
さらに、2020年8月、東京本社に併設して新たにショールームをオープンした。商談、打ち合わせしながら、同社の技術や製品ラインアップをコンパクトに一覧できるようにした。モニター越しでは伝わらない、仕上げや素材の質感、光の色味や加減も確かめられる。「最終成果品をイメージしやすいように心掛けてつくりました。ぜひ、気軽に寄ってほしいです」
ショールーム内のレタリングにはシルク印刷を用いた。シルク印刷はサインと複合的な表現も可能で、さまざまな壁やガラス面にも印刷もでき、多彩なソリューションの一角を担うべく現場印刷にも対応できるシルク印刷事業も開始した。
それはスマホのカメラではインクジェットプリンタとの違いはわからないかもしれない。しかし、人が目の前にすれば、意識できるか否かにかかわらず、違いを感じ取ることができる。
ネットショップが浸透し、さらにウィズコロナの時代となり、実店舗を訪れることはより特別な体験となるだろう。その体験価値を高めるのに、優れた空間のデザインや質感は欠かせない。そして、その“顔”にこそ、人でないと感じられない何かを持っていてほしいと思うのではないか。
オミノ
東京本社 TEL. 03-6658-4147
大阪営業所 TEL. 06-6484-5255
URL. https://omino.ne.jp/