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オフィスキッチンを成功に導く、 四つのタイポロジー 第1回 導入編
2019.10.17 | REPORT
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日々変化するオフィスの中でも、コミュニケーションの核として注目されるオフィスキッチン。企業の規模や職種、オフィスの形態、社会とのつながり方などにより、そのスタイルもさまざまだ。オフィスキッチンの現状と未来像を探るため、LIXIL、コクヨ ワークスタイル研究所若原強さん、オープン・エー馬場正尊さんの3者がリサーチと共同研究を実施した。そこから見えてきたオフィスキッチンの現在とその可能性を4回にわたりレポートする。
オフィスキッチンは、コミュニケーションの場であり、接客ツールであり、職場からいっとき解放される憩いの場でもある。常に社員でにぎわい、社外に対してもブランディングやPRを促進する効果がある一方、社員があまり寄り付かないオフィスキッチンもある。こうした違いがどこから生じるかを調査した結果、キッチン本体のデザインや機能だけでなく、オフィス内での配置が重要であることが分かってきた。そこで3者はオフィスキッチンの配置を四つのタイポロジー(類型)に分類した。
〈 オフィスキッチンの配置四つのタイポロジー 〉
■ リニア型
仕切りのないフリーアドレスのオフィス、クリエイティブな小規模オフィス、シェアオフィスに適したタイプ。執務エリアとキッチンが隣接/連続していて、キッチンがシンボリックに見えることで、人が集まりやすくなる。コーヒーを淹れたり、弁当を温めたり、簡単な調理をしたり、使う人の姿が見えるので、それを真似して利用が促進される。インフォーマルな社内コミュニケーション促進に効果的な配置である。
■ コモン型
オフィスの執務エリアとキッチンが分離されているタイプ。外部のゲストも入れる共有スペースにキッチンを隣接させて、打ち合わせやワークショップ、ランチミーティングなどに活用できる。ゲストにキッチンを見せることで、企業イメージの促進にも役立つ。社員も執務スペースから離れた場所で、気持ちを切り替えリラックスできる。
■ コネクト型
部署ごとに執務スペースが分かれた企業に向いたコネクト型。異なるスペースを結ぶ動線上にキッチンを配置することで、偶発的な出会いが生まれるコミュニケーションのハブとなる。他部署に行く途中や、アメニティーに行く途中にキッチンが存在するため、キッチンにわざわざ行くという感覚がなく、仕事からリラックスタイムへの切り替えが自然に行われる。
■ ノード型
執務スペースが複数階に分かれたり、棟が分散している場合に向いている。社内だけでなく、一般の人も利用できるよう外部(社外、街など)に開き、パブリック性を高めた配置。レストランのような居心地の空間を創造でき、社員食堂、フリーアドレスのデスク、一般の食堂といった役割を兼用できる。
次回からはオフィスキッチンの八つの実例を、各タイポロジーごとに紹介し、プランの特徴や実際の使われ方を紹介する。
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