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内装材の枠を超え、日本から世界へと広がるタニハタ組子

2019.09.02 | インフォメーション

職人たちの確かな技術、そして高いデザイン性と芸術性とで世界中の人々を魅了してやまない「タニハタ」の組子。その歴史は、1956年、先代の谷端敏夫氏が、富山で見習いとして建具の世界に飛び込んだことから始まる。その後、地元を離れ、組子づくりに全身全霊を注いで腕を磨き、1959年、故郷である富山の地で、当時はまだ建具の一装飾でしかなかった組子を前面に押し出した谷端組子店を開業。以来、「タニハタ」は組子の専門メーカーとして既成概念にとらわれない新たな挑戦をし続けている。



六本木ミッドタウン最上階の53階にある「ザ・リッツ・カールトン東京」の最高級スイート、ザ・リッツ・カールトンスイートに導入されている「タニハタ」の組子。麻の葉を中心に計8種類の古典模様が用いられている
六本木ミッドタウン最上階の53階にある「ザ・リッツ・カールトン東京」の最高級スイート、ザ・リッツ・カールトンスイートに導入されている「タニハタ」の組子。麻の葉を中心に計8種類の古典模様が用いられている


半世紀以上、組子製品だけをつくってきた「タニハタ」は、全国的にみても希有な存在であり、その実績は高く評価され、1977年の全国建具展示会における最高栄誉である“内閣総理大臣賞”を始め、2007年には“経済産業省 IT経営100選最優秀企業賞”を、2017年にはドイツ・iFデザインアワードにて金賞を受賞。現在、10代から70代まで20人の組子職人を擁し、内閣総理大臣賞受賞当時の職人たちも現役として活躍している。



また、この熟練した職人たちの手仕事に加え、延床面積1200㎡の工場に8台のNCラジアルソーを保有するなど、組子専用の最新機械を導入していることも大きな特徴である。そのため、3ⅿ以上の大判サイズや100枚以上の多枚数といった大口案件にも対応可能で、間仕切りや壁面装飾など、さまざまな形で組子ならではの上質な“和”を空間へと取り入れることができる。さらに、「タニハタ」では、独自の組子デザインソフトも開発。リアルとデジタルを駆使することで、麻の葉や胡麻といった古典的な模様はもちろん、例えばクライアントのストーリーを組子の模様で表現するなど、総合的なデザイン力と提案力も併せ持っている。



1958年頃の写真。前列右端が、創業者である故谷端敏夫氏
1958年頃の写真。前列右端が、創業者である故谷端敏夫氏


ラグジュアリーホテルや高級旅館、ハイエンドな飲食店、老舗和菓子店、百貨店、駅、空港ラウンジ、万博のパビリオンなど、導入先には国内外を問わず、錚々たる商業施設が名を連ねている。遠く飛鳥時代に端を発する日本古来の木工技術である組子。その伝統を重んじ、現在へと継承する「タニハタ」の組子は、今後も内装材の枠を超え、工芸作品、アート作品としても、世界中へとさらなる広がりをみせていくことだろう。



たった0.1㎜寸法が違うだけで、組み付けができなくなるほど微細な組子の世界。長年の経験に裏打ちされた職人たちの技術によって、ほとんどが注文を受けてからの受注生産で一つひとつつくられている
たった0.1㎜寸法が違うだけで、組み付けができなくなるほど微細な組子の世界。長年の経験に裏打ちされた職人たちの技術によって、ほとんどが注文を受けてからの受注生産で一つひとつつくられている

タニハタ

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