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オチャノキプロジェクトが結ぶ、都市と里山、植物のこれからの関係

2019.08.26 | INFORMATION

1972年に創業し、植栽を取り込んだ空間や、季節性のあるデコレーションの企画、設計、施工を手掛ける、グリーンディスプレイ。植物(plants)のあるより良い空間づくりを示す「plantscaping(プランツスケーピング)」を掲げ、商業空間やオフィスのエクステリアやインドアグリーン、イベントのコーディネイトに至るまで幅広いグリーンの提案を行っている。約40年前にニューヨークのロックフェラーセンターのクリスマスツリーを模して、銀座で初めて高級宝飾店のディスプレイにツリーを取り入れるなど、時代の変化とともに社会に対して新しいグリーンの魅力や関係性を提供し続けている。



銀座の店舗で初めてクリスマスツリーを取り入れるなど、先進的な都市とグリーンの考え方を提案してきた
銀座の店舗で初めてクリスマスツリーを取り入れるなど、先進的な都市とグリーンの考え方を提案してきた


同社が近年、都市と里山の自然環境に着目してスタートしたのが「オチャノキプロジェクト」だ。茶葉を生産するための茶畑は日本全国にあるが、生産農家の高齢化や後継者不足により、休耕地となってしまっているケースがある。休耕地ではオチャノキが整備をされない状態になり、雑木林のようになった環境は、里山の生態系を変えてしまう可能性がある。一方でそのオチャノキは力強く成長し、作物として管理されていた時とは違った表情を見せてくれるという。多くは都市のために茶葉を生産する場としてつくられた茶畑が、都市生活者が知らないうちに里山の自然の在り方を壊してしまうことと、都市と里山の間にある循環する関係性を見直すきっかけとしてオチャノキプロジェクトが立ち上げられた。



休耕地のオチャノキに新たな価値を見出す「オチャノキプロジェクト」。植栽としても魅力的なオチャノキは、プロジェクトのコンセプトに共感をした店舗やイベントでの導入が進んでいる
休耕地のオチャノキに新たな価値を見出す「オチャノキプロジェクト」。植栽としても魅力的なオチャノキは、プロジェクトのコンセプトに共感をした店舗やイベントでの導入が進んでいる


同プロジェクトでは、主に茶葉の一大生産地である静岡県掛川市と同市の農家協力により、休耕地のオチャノキの成長を管理し、都市のさまざまな場所に新しいグリーンとして導入されている。オチャノキは従来の植栽とは異なる和の雰囲気を演出しつつ、うねるように奔放に伸びる枝が植物としての生命力を感じさせ、商業空間におけるアイコンとしても存在感を放つ。飲食店ではエントランスの門被り風に使ったケースや、ブランドイメージを表現するディスプレイとして導入しているライフスタイルショップなど、すでに商業施設での導入も進んできた。その他、同社ではオチャノキを使って、都市と里山の関係を伝えるイベントや企画も行っている。



グリーンが集客装置としてだけでなく、商業空間に付加価値を与える存在として注目が高まるなか、社会貢献だけではないCSV(共有価値の創造)のきっかけとなる植物の魅力を、グリーンディスプレイを通じて体感してほしい。



グリーンディスプレイ本社内
グリーンディスプレイ本社内


GREEN DISPLAY

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