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曲がる、削れる、つながる、光を透す
唯一無二の“本物”の人工大理石「コーリアン®」

2019.08.05 | INFORMATION

1965年、米国・デュポン社がアクリル系樹脂と無機系フィラーとを混合させることで生み出した人工大理石「コーリアン®」。この画期的な新素材は、キッチンのカウンター材として市場を席巻し、1979年には日本に初上陸。1986年にはデュポン社と三菱ケミカルとの合弁企業であるデュポン・MCC(旧 MRC・デュポン)が設立された。現在「コーリアン®」はアメリカ、韓国、日本にある工場で製造されている。



「コーリアン®」の土台とファブリックを組み合わせたソファ。内部に仕込まれた照明により、時間ごとに表情を変えていく Mount Mee  Designed by Mark Gacesa of Ultraspace, photo by Scott Shirly. all rights reserved.
「コーリアン®」の土台とファブリックを組み合わせたソファ。内部に仕込まれた照明により、時間ごとに表情を変えていくMount Mee  Designed by Mark Gacesa of Ultraspace, photo by Scott Shirly. all rights reserved.


人工大理石のパイオニアである「コーリアン®」と他の人工大理石との違いは枚挙に暇がないが、まずは、素材そのものが持つ優れた機能性を挙げるべきだろう。人工大理石は、大きくアクリル系とポリエステル系とに分けられる。ポリエステル系樹脂は安価ではあるが、耐久性に乏しく、光によって変色するという弱点を持つ。一方、「コーリアン®」の主原料であるアクリル系樹脂は、水族館の巨大水槽にも使われるほど透過・透明性が高く、さらには耐久性や耐水性、紫外線への対候性、音質に深みを出す音響特性をも備えている。



モバックショウ2015 年の会場内に設置されたアリガの冷蔵ショーケース。六角形と五角形で構成され、凹凸やアールも加わった複雑な形状でも、継ぎ目が目立つことはない 
モバックショウ2015 年の会場内に設置されたアリガの冷蔵ショーケース。六角形と五角形で構成され、凹凸やアールも加わった複雑な形状でも、継ぎ目が目立つことはない 


次が加工のしやすさである。熱で曲げられ、通常の木工機械で切る、削る、穴をあけるといった加工が可能。接着すればシームレスにつながり、そのため、掃除などのメンテナンスが楽な上に継ぎ目に雑菌が繁殖することもなく、清潔性や衛生性も高い。



バリエーションの豊富さも「コーリアン®」ならではの特長だろう。白、ベージュ系の3色からスタートし、その後、細かな砂目、大理石など徐々にアイテムを増やし、昨年はアース・レインクラウド・サフランなど、自然界からインスピレーションを得て、移ろいゆくさまざまな表情を表現したカラーを中心に72色を、そして今年は木目調や左官技法であるテラゾー調などの新色を含む全102色を発表。年に一度、アイテムの改廃を行い、現在のラインアップに至る。さらに、色柄の違う「コーリアン®」同士を張り合わせればツートンカラーに、削って厚みに変化を持たせ、そこに光を透せば同じ色柄でも表情が変わるなど、そのバリエーションは無限の領域へと広がっていく。



「丹青社本社受付」浮遊感のあるカウンター。分割された「コーリアン®」のパーツを現場で接着することで、設計者のイメージ通りのサイズやシームレスな仕上げを実現している
「丹青社本社受付」浮遊感のあるカウンター。分割された「コーリアン®」のパーツを現場で接着することで、設計者のイメージ通りのサイズやシームレスな仕上げを実現している


そして、「コーリアン®」の最大の特長とも言えるのが、これら数ある利点から導き出されたインテリアデザインへの高度な汎用性である。発売当初からのキッチンを始め、洗面、浴槽などの水まわり全般。他にも、光とコラボレーションさせることで照明器具はもちろんのこと、光るパーテーションや陳列什器など。木や布、金属といった異素材との親和性も高く、テーブルや椅子、ソファ、ベッドなどの家具材としても活用されている。



住宅用キッチン「KUSUNOKI」。Design:STUDIO KAZ、Photography:SAYURI YOSHIOKA
住宅用キッチン「KUSUNOKI」。Design:STUDIO KAZ、Photography:SAYURI YOSHIOKA


「コーリアン®」は、富山にあるデュポン・MCCの工場で、樹脂を板状に連続成型し、製品サイズにカットされて市場へと送り出されている。工業製品でありながらも、一定のパターンを連続させることは、気温や湿度に左右されるほど繊細な作業であり、それを実現させるにはどうしても熟練した職人たちの勘と経験とが頼りとなる。更に、最終工程でも検査員の目で確認し、選び出された良品だけが出荷されている。つまり、「コーリアン®」とは、素材であると同時に、クラフトマンシップによる完成品とも言えるのだ。



デュポン・MCCでは、「コーリアン®」の発売以来、40年以上に渡って設計・施工者に向けた加工・施工方法の啓蒙活動を行ってきた。富山工場内にある加工技術センターに加え、全国的に幅広く加工パートナーを擁している。



木と「コーリアン®」を組み合わせたマルニ木工のLightWoodダイニングテーブル。デザイナー:ジャスパー・モリソン、Coryright:マルニ木工、Photography:川部米応
木と「コーリアン®」を組み合わせたマルニ木工のLightWoodダイニングテーブル。デザイナー:ジャスパー・モリソン、Coryright:マルニ木工、Photography:川部米応



同社では現在“Make Your Space™”をテーマに掲げる。これはデザイナーや設計者などのユーザー一人一人が、想像性に制限をかけず自由に空間の創造を実現できるよう、「コーリアン®」を通じてサポートしていきたい、というブランドビジョンを表している。そのブランド価値は唯一無二のものであり、「コーリアン®」とは、まさに“本物”の人工大理石なのである。



2017年のミラノサローネで展示された「コーリアン®」と光のコラボレーション Corian® Cabana Club” exhibition (Milan, April 3-9, 2017): the "Mystery Tunnel" (made with a variety of colors of Corian® Solid Surface), styled by Christoph Radl; photo by Filippo Pincolini, all rights reserved.
2017年のミラノサローネで展示された「コーリアン®」と光のコラボレーションCorian® Cabana Club” exhibition (Milan, April 3-9, 2017): the “Mystery Tunnel” (made with a variety of colors of Corian® Solid Surface), styled by Christoph Radl; photo by Filippo Pincolini, all rights reserved.

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