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GRAPHISOFT.ARCHICAD 19×商店建築
セミナーレポート2016.08.01 | REPORT
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6月30日、『ストアデザインの現在 ―人が集う空間の魅力を探る―』と題したグラフィソフトと商店建築のコラボレーションセミナーが開催された。
会場となったのは、東京・京橋にある「イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA 」。イトーキの運営による“ 社内外を問わず、お互いの知識を交流させ、新しい価値を生み出す”オープンイノベーション実践の空間である。1 階のコワーキングスペースWORK CAFEは、受講者によって満席となった。セミナーは、第一部の設計事務所 ima(イマ)の小林恭氏、小林マナ氏と弊誌編集長 山倉礼士とのトークセッション『“楽しさ”を感じるインテリアデザイン‼』、第二部のギャルドユウ・エス・ピイ チーフデザイナーである山本豊氏による基調講演「魅力的なシーン創り 3D建築設計ツールを使った商業空間のデザインスタイル」、そして第三部のグラフィソフトジャパンによる「提案のスピードが格段に速く! ―新しい3Dプレゼンテーション手法のご紹介―」の三部構成で行われた。
第一部では、山倉の進行により、imaの二人がこれまで手掛けた店舗を平面図と写真で解説。面積約100坪の倉庫のような店内に、商品棚や各コーナーを小屋のように点在させて回遊性を高めたmarimekko NY。イメージキャラクター、ファミちゃんの顔の形で平面構成をした店内に“TOUCH=触る”をテーマにしたコンテンツを散りばめたfamiliar代官山など5 事例を紹介。最後に山倉が「体験する仕掛けをつくることで、新たな店が生まれる。“楽しさ”はこれからのキーワードになるだろう」と結んだ。
第二部では、山本氏が、まず北京の大型商業施設JOY CITYの設計事例をもとに、そこで行った魅力的なシーン創りの手法を解説。山本氏は「効率や生産性だけを追求するのではなく、キモチを大切にすることで魅力的なシーンを創る」と語った。続いて、ミラノ赴任時に「ARCHICAD」に出会ったという山本氏は、“初期段階でのイメージ化”、“多店舗展開ブランドの例”、“大型商業施設計画の例”の三つの柱で実践テクニックを披露。初期段階での検討をスムーズに行うことができ、チーム内のコミュニケーションを迅速に進め、更にクライアントとの意思を共有する強力なプレゼンツールとなることを解説した。
第三部では、グラフィソフトジャパンより、最新版「ARCHICAD 19」のプレゼンテーションがなされた。究極のプレゼンテーションアプリケーション“BIMx”とARCHICADに搭載されているCINEMA4Dの高速なレンダリングエンジンをデモンストレーションで示し、、受講者は最後まで熱心に耳を傾けていた。現在、日本国内のユーザーはゼネコンや組織設計事務所が主流となっているが、本場ヨーロッパでは店舗設計の分野で圧倒的なシェアを誇る。「ARCHICAD」は、日本の空間デザインの分野でも、その実力を存分に発揮してくれることだろう。
- 小林恭+マナ/設計事務所ima(イマ)
- 物販、飲食のインテリアデザインを主軸にプロダクトデザイン、住宅建築なども手掛けている。場所やブランドを活かしたコンセプトづくり、使いやすさや機能性の向上の中にバランス感覚やユーモアを織り交ぜたデザインを追求して設計活動を行っている。小林 恭 Takashi Kobayashi:1966年兵庫県神戸市生まれ。1990年多摩美術大学インテリアデザイン科卒業後 カザッポ&アソシエイツに入社。小林 マナ Mana Kobayashi:1966年東京都生まれ。1989年武蔵野美術大学工芸デザイン科卒業後 ディスプレイデザイン会社に入社。共に1997年退社後、建築、デザイン、アートの勉強のため半年間のヨーロッパ旅行へ出る。1998年帰国後 設計事務所ima(イマ)を設立
- 山本 豊(ギャルド ユウ・エス・ピイ)
- ラージスケール開発事業部に在籍し、大型商業施設・環境ディレクション及びデザインを中心に活動。国内外の大型商業施設や百貨店のデザインを数多く手掛ける。プロジェクトに対し空間の意味を汲み取りながら、お客様の心に届く魅力的なシーン創りに注力し、デザイン活動をおこなう。1971年 兵庫県神戸市生まれ。1994年 明治大学理工学部建築学科卒業後、ギャルド ユウ・エス・ピイに入社。2001年よりミラノオフィス勤務。数多くのインポートブランドのデザインをおこなう DUCCIO GRASSI ARCHITECTS(ITALIA)に2年出向し デザインを学ぶ。
グラフィソフトジャパン株式会社
- TEL. 03-5545-3800
- URL. http:/ /www.graphisoft.co.jp