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ミラノサローネ 展示会レポート「Ritzwell」

2018.07.02 | REPORT

日本国内で家具の企画・デザイン・製造までを一貫して手がける、リッツウェル。1992年の創業からメイド・イン・ジャパンの家具にこだわりながら、海外でも通用する製品づくりを続けている。同社がミラノサローネに初出展したのは2008年。2013年からは単独での出展となり、今年の開催で10回目の展示を行った。

日本の美意識を纏ったデザイン、 精緻なつくりの家具

今回、出展したデザインホール5号館(Hall-5)は、出展する約9割が地元イタリアの一流ブランドであり、リッツウェルはアジアで唯一のブランド。また同社ブースは、サローネの出展者のみに配信されるメデイアで注目のブランドとして紹介されるなど高い期待も伺える。


今回の展示ブースは、美術館やギャラリーのように一つのプロダクトを際立たせるショーウインドウのような前面通路側のエリアと、複数の家具がコーディネートされたエリアに分かれる。いずれのエリアも多くの来場者で常ににぎわい、昨年の2倍以上、約5000人が訪れた。


多くの人でにぎわう展示ブース。来場者の多さからもその注目度が伺える
多くの人でにぎわう展示ブース。来場者の多さからもその注目度が伺える


ショーウインドウにピックアップされたのは、独特な形状と素材づかいが特徴の新作イージーチェア「BEATRIX(ベアトリクス)」。そして、今年6月から日本国内でもリリースされるサイドボード「JABARA SIDEBOARD(ジャバラ サイドボード)」だ。「JABARA SIDEBOARD」の最大の特徴は、名前の通り蛇腹状になった収納扉。かまぼこ型の幅8㎜の無垢材が並ぶ繊細なつくりと、柔らかな表情が印象的だ。蛇腹戸は開くとそのままサイドボードの側面に見えない形で引き込まれていく。
その他、皮革を前面に用いたプッシュオープンの引き出しや、シャープな脚や棚板など細部まで美しく、丹念につくり込まれている。欧州ではすでに複数の買い付けを受けている他、ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞2018」も受賞するなど評価が高い。


ブース内にはリッツウェルの多様な製品をコーディネートしたインテリアが展開。システムソファ「LIGHT FIELD modular sofa」(写真右)や一人掛けソファ「DIANA」(写真左)、丸テーブルシリーズ「MO TABLE」など、海外のデザインアワードを受賞している上質な家具が並んだ
ブース内にはリッツウェルの多様な製品をコーディネートしたインテリアが展開。システムソファ「LIGHT FIELD modular sofa」(写真右)や一人掛けソファ「DIANA」(写真左)、丸テーブルシリーズ「MO TABLE」など、海外のデザインアワードを受賞している上質な家具が並んだ


同社社長でデザイナー・宮本晋作氏の「一つひとつのプロダクトが、ユーザーの心に響くものづくりを追求し続けたい」という言葉通り、独創的な家具の魅力を提案するとともに、海外へ向けてリッツウェルの精緻なものづくりを発信する多様な製品の今後に注目したい。


会場はイタリアのデザイナーとコラボレートした空間構成。ショーウインドウには、「BEATRIX」(左)と「JABARA SIDEBOARD」(右)が浮かび上がるような展示がなされた
会場はイタリアのデザイナーとコラボレートした空間構成。ショーウインドウには、「BEATRIX」(左)と「JABARA SIDEBOARD」(右)が浮かび上がるような展示がなされた

Ritzwell

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