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Ritzwell × 商店建築

2018.01.22 | REPORT

2017年12月1日、家具ブランド、リッツウェルから新作イージーチェア「BEATRIX(ベアトリクス)」が発売。 それを記念したトークイベントが、東京・青山のショールームで開催された。

リッツウェルは、日本国内で企画・デザインから製造までを一貫して手がけるブランドであり、1992年の創業からmade in Japanの家具にこだわりながら、常に海外を意識した質の高い製品を生み出し続けている。2008年には、イタリア・ミラノで開催される国際家具見本市「ミラノサローネ」に初出展。以来、欧米の見本市での出展を経て、2016年にはミラノサローネにおいて、一流ブランドが並ぶデザインホール5号館(Hall-5)でアジアのメーカーとして初めて展示を行った。国内における導入事例にはハイエンドな住宅からホテル、ラグジュアリーなどがあり、コントラクト家具の需要も高い。



今回発表された新作イージーチェア「BEATRIX」の特徴は、その独特な形状と素材づかいにある。広めの座面から立ち上がる肘掛け、背もたれ、ヘッドレストは座る人間を包み込むような弧を描く。大きく広がったヘッドレストは、左右の視界をさりげなく遮りながら、落ち着いた空間をもたらしてくれる。また、人間工学に基づいてミリ単位で設計されたという座面から頭にかけての形状により快適な座り心地を実現。あえて「シワ」をつくったという背もたれ部の張り地は、柔らかさを視覚的に感じさせる程良いシワ感を繰り返し検証して形にされている。そして、チェア背面から突き出したように伸びるのが、重厚感のある無垢材の脚部。独自の構造で内側から固定ししっかりとイス全体を支える。



更にもう一つの特徴が、後ろ側の素材の張り分け。ヘッドレスト周りと腰から下にかけての背面はレザー、その間がファブリックという構成で、美しい後ろ姿を目指したデザインだ。レザーは厳選された良質な原皮によってつくられるイタリア・トスカーナ産の厚革を使用。従来よりも厚く、強度と独特の深い色合いを有し、素材感のある革の切り口やその合間に施されたステッチなど、繊細かつ綿密な職人技が光る。



トークイベントにおいて、デザイナーの宮本晋作氏は、「イスは使っていない時、インテリアにおいて後ろ姿が目に入ることが多い。座り心地などの実用性と、インテリアをより良く感じさせる審美性を持った存在になれば」と語る。



製品について語るリッツウェルの宮本氏
製品について語るリッツウェルの宮本氏


宮本氏は大学卒業後、飛騨高山の家具製作会社に入った後、イタリアへ渡りクラシック家具の工房で職人として修行を積む。その後、同社に入り、世界でも認められるような家具づくりに取り組んできた。その現場で培われてきた職人の視点と、手仕事、肌感が、ラグジュアリーさを持ちながらどこか温かみと親しみやすさを感じる「BEATRIX」のデザインに表れている。「長く使うほど愛着が湧くような家具をつくりたい。その家具があることで、人のライフスタイルに影響を与えるような“名作”と呼ばれるものを目指したい」と宮本氏。その高い理想は、「BEATRIX」を始めとするリッツウェルのそれぞれの家具ですでに形となり始めている。



見た目の美しさと、最高の座り心地を追究したイージーチェア「BEATRIX」。張地はファブリック66種類、レザー15種類から選択可能。背面の厚革は3色が用意される他、木部はウォールナット材、ナラ材を使用できる。サイズ:W800×D940×H1050㎜ 価格:438,000円〜(使用素材により異なる)
見た目の美しさと、最高の座り心地を追究したイージーチェア「BEATRIX」。張地はファブリック66種類、レザー15種類から選択可能。背面の厚革は3色が用意される他、木部はウォールナット材、ナラ材を使用できる。サイズ:W800×D940×H1050㎜ 価格:438,000円〜(使用素材により異なる)


トークイベントでは、リッツウェルのデザイナーの宮本晋作氏と、本誌編集長の塩田健一が、ベアトリクスの魅力とリッツウェルのものづくりについて意見を交わした
トークイベントでは、リッツウェルのデザイナーの宮本晋作氏と、本誌編集長の塩田健一が、ベアトリクスの魅力とリッツウェルのものづくりについて意見を交わした

リッツウェル

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