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“原着”と“後染め”が豊富なデザインを可能にする「ANTRON® CARPET FIBER」
2017.10.02 | REPORT
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インビスタ社の「アントロン®ナイロン」は、優れた機能性と色彩の豊かさを兼ね備えたカーペットファイバー。ナイロン6,6のため、ナイロン6に比べて緻密で強度の高い分子鎖配列が優れた弾性回復力を実現し、へたりにくくシミになりにくい。更に、革新的な四角中空形状のため、繊維内部の空洞が光を屈折・拡散させることで汚れを目立たせないという、高い耐久性と防汚性、そしてメンテナンス性を誇る。
また、メタリック系を含む157色の多彩な色展開の原着ナイロン「アントロン®ルーミナ™原着ナイロン」と、白糸で後染めタイプの「アントロン®レガシー™ナイロン」を用意し、カーペットデザインの可能性を広げる。1919年創業の床材のリーディングカンパニー、田島ルーフィングのデザイナー・浅田茉莉子氏に「アントロン®ファイバー」を採用したカーペットタイルの紹介と、このカーペットファイバーの印象を率直に語ってもらった。
汚れが目立ちにくく日焼けや色褪せを起こしにくいアントロン®ルーミナ™原着ナイロン6,6
- 原着ナイロンとは、紡糸工程の前段階で顔料を添加してつくられる原液着色繊維で、糸自体に色が付いている。田島ルーフィングのカーペットタイルシリーズも原着を採用している。天然木のラスティック調を表現した「SW1000」は、三色展開で、単色や組み合わせての使用も可能。古木の重厚さと温かみを空間へと取り込むことができる。「アントロン®ルーミナ™原着ナイロン6,6」から選定した複数の色を合わせて一本の糸にし、更に数種類を使用して自然木の濃淡を表現している。下地にレース調の和柄を置き、その上に舞い散るように桜を配した「CB5000」は、現代のフロアデザインにマッチした大胆な意匠が目を引く。「色の異なる繊維を混ぜることでボリューム感や奥行き感を出しています。原着の良さを生かした製品です」と浅田氏。
「タピス ワッフルツイード」は、スコットランド毛織物を起源とするツイードがデザインのモチーフとなっている。糸と糸をミックスさせることで新たな色をつくり深みを出す表現も、原着ならではの手法だという。
浅田氏は「原着にとって一番重要なのは、色味と品質の安定性です。いかに安定したカーペットを供給するかは素材のクオリティーに掛かっていて、アントロン®ナイロンには、その技術力があります」と語る。
アントロン®ルーミナ™原着ナイロン6,6採用カーペット
ほぼ無限の色彩とデザインの可能性を秘めた白糸アントロン®レガシー™ナイロン6,6
- 白いカーペット白生機(しろきばた)を後染めすることで鮮やかな色彩を再現した製品ラインアップもある。「タピス スタイルSS」は日本初となる濃淡2種類の染料を用いた田島ルーフィング独自の染色技術によって川の流れを表現したものだ。「ある程度の人工的な制御は必要ですが、このにじみ感は染色過程でつくり出されるものです」と浅田氏。ゆっくりと染まる「アントロン®レガシー™ナイロン6,6」の特徴を生かした製品だと言える。
「タピス プレシャスストーン」のテーマは宝石。世界的に注目されているトレンドカラーのローズピンクとセレニティブルーを含む17色が用意されている。「色を前面に押し出し、宝石のカッティングをイメージした柄はパイルの高低で表現しました。ローズピンクなどの微妙な色合いは後染めだからこそ出せる色味です」アントロン®ナイロンは品質が安定していて染めやすい糸だという。浅田氏は「幅4m、長さ数100mの生地を一気に染めるのですが、最初から最後まで色が均一に仕上がります。高発色と低明度の色調の両方を求めるのは実は難しいことなんです。アントロン®ナイロンは、同じ糸でこれを両立させていると実感しています」と、思い描いたデザインの再現性の高さを語る。
アントロン®レガシー™ナイロン6,6採用カーペット
インビスタ ジャパン合同会社
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